拒絶されない愛し方 ページ29
太宰side
自分の事を悪く言う彼女が嫌になってつい手が出てしまった。
もっと自分を大切にしてあげてほしかった。
出たのは左手。今はそんなに力が入らない。だから痛くはないだろう。
悪いとは思ってる。
普段なら女性を殴ったりしない。好きな子ともなるともっとそんな事はしたくない。
彼女を買った男がそういう事をしていたのは今までの話を聞いているだけでも想像できただろうし、第一、彼女の今まで怯える姿を見ていればわかることなのに、それをわかってあげられなかった。
そんな自分に嫌気が差す。
死にたい。
彼女を傷つけたうえに、昨日から二度も思い出したくない事を思い出させている。
太宰「ごめんね。……でも私はそういう人間だ。君が好きで君だけを見て他の大事な所は見えなくなってしまう。そんな碌でもない人間だ」
貴方「……太宰さんも僕と同じじゃないか」
私のシャツを掴む彼女から出た声は聞いたことないくらいに棘があった。
きっとまだ私に恐怖を抱いてる。
太宰「え?」
貴方「太宰さんは僕が僕を傷つけるのが嫌だと言った。でも太宰さんだって自分を傷つけてる」
太宰「……駄目かい?」
貴方「僕が駄目なら太宰さんも駄目」
太宰「どうして?」
貴方「僕が嫌だから」
太宰「私が自分の事をそう言うのが嫌?」
貴方「太宰さんが自分を見ないで僕だけを見てるのが、嫌」
普通の事なのだけれど……。
太宰「好きな子だけを見ていたいのは男なら皆そうだと思うのだけれど」
それを聞くと彼女は私から少し距離を取り、見た事ない鋭い目で私を見た。
貴方「嫌だ。…嫌だ!その辺の人と一緒にならないで!太宰さんがそこらに居る男と同じ様になるなら僕は死んだ方がマシだ!」
そうか、Aは少なからず男に恐怖を抱いていた。だが、それはどんな形であろうと彼女に恋や愛を抱き、それに盲目になった男だ。
私を拒絶する位、彼女の嫌っている男達に私が似てきていたのだろう。
そうともなればどう愛したらいいだろう……。
太宰「わかった、わかったよ。私は君が嫌う様な男にはならない。怖いと思ったら言ってくれていい」
貴方「……本当?」
太宰「嘘はつかないよ」
頬を撫でるために伸ばした手は彼女の手によって払われた。
太宰「嫌かい?私に触れられるのが」
貴方「今は嫌。僕の好きな太宰さんじゃない」
普段の私は好きだって事でいいんだろうか。
そう自惚れてもしょうがないだろう。
好きな子がこんな事を突然言い出すんだから。
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二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀`) (2018年9月27日 23時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…!頑張らせてもらいます…! (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました!ありがとうございます(*´ω`*)これからも更新頑張って下さい(*´∀`) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…!そう言って貰えるととても嬉しいです!私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月24日 22時