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知りたい ページ3

貴方「人を傷つけて生きてる。だから死んだ方が良かったんです」

「…吸血鬼、か。異能じゃないんだね?」

異能力…。
そっか、この人武装探偵社の人なんだっけ。
先刻言ってたもんな。
じゃあこの人、異能力持ってるんだ。

貴方「そんな力ないですよ。本当に親も吸血鬼でした」

「へー。…吸血鬼は初めて見たよ」

貴方「そうでしょうね。今は近づかないで下さい」

少し視界が歪んでる。
このままだったら死ねるかもしれない。

「もしかして顔色悪いのは、血が足りないから…?」

貴方「……そうです」

「あげようか?」

貴方「要りません。死にたいので」

「私、今君に死なれたら困るのだけれど」

首を傾げて言う彼。
何言ってんだ。
つい先刻会って何が困るんだ。

貴方「何で困るんですか」

「知りたいから。君のこと」

貴方「知ってどうするんですか…!あなたも僕を自分の欲の為に生かそうって言うんですか…!もうそんな風にされるの嫌なんです!」

「……何をされてきたのかはよく分からないけれど、辛かったんだね。大丈夫、私にそんな気はないよ」

手を握られる。
駄目。やめて。
彼に目を向けると噛んでしまう気がした。

貴方「触らないで…!」

「嫌だ。君が生きると言わないなら離さない」

貴方「僕には生きる理由も、生きる資格も無いんです!」

「無いわけ無いだろう!」

突然大きな声で言われたその言葉は今まで聞いたことのないものだった。
勢いで彼の目を見る。
駄目だ。噛んじゃう…。

「ちゃんと私を見て。そんな理由とか資格とかなんて後で見付ければいいんだ」

彼の首に伸びる自分の手。
嫌だ。別に生きたくなんてない。

「ほら、体は生きたいって言ってる。いいよ。痛いのは嫌だけれど、君の為だと思えば耐えられるから」

気がつくと目の前にあるのは彼の首だった。
どれだけ意識が嫌だと言っても、体は死を恐れているかの様に彼の首筋を噛んだ。
彼がうっ、と痛みに耐える声が聞こえた。
嗚呼、また人を傷つけてる。
自分が生きる為に他人をこの痛みの犠牲している。
口に入ってきた彼の血は甘くて、今まで僕が飲んだどの血よりも美味しい気がした。
もっと欲しい。でも彼を傷つけてる。
そう思うと涙が溢れてきた。

「大丈夫。慣れたらそんなに痛くないよ」

少し荒い彼の呼吸。
痛いはずなのに僕の髪を撫でる手は今までの誰よりも優しかった。
この人の為に生きるなら良いかもしれない…。
初めてそう思った。


あなたの事が知りたい…。

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二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀`) (2018年9月27日 23時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…!頑張らせてもらいます…! (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました!ありがとうございます(*´ω`*)これからも更新頑張って下さい(*´∀`) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…!そう言って貰えるととても嬉しいです!私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月24日 22時

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