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帰宅途中 ページ1

太宰side

探偵社からの帰り道。
人気のない道を歩いていると、男数人が一人の女性を囲んでいた。

「大人しくついて来い」

「嫌です…!帰ってください…!」

女性の返事を聞いて一人の男がその女性を殴った。
殴られた女性はそばにあった電柱にもたれかかった。
これは酷い。この人たちの間に何があったのかはわからないけど、女性を殴るなんて許し難いことだ。

太宰「ちょっといいかな。女性を殴るのはどうかと思うのだけれど」

「誰だお前。関係ねぇだろ」

「逃げて、下さい」

太宰「痛かっただろう。私ね、女性が傷つけられてるの見て放っておく程冷たくはないのだよ」

「どっか行けよ。誰だか知らねぇけど、今なら見なかったことにしてやる」

太宰「君たちが彼女を置いて行かないなら、私も此処を動く気はないよ」

「いいからどっか行けよ!俺達は此処らじゃ名の知れた犯罪組織の一員だ。標的にされたくなきゃ今すぐ消えな」

太宰「…へぇ。じゃあ知ってるよね武装探偵社って。私そこの社員なのだよ。今すぐ社に連絡して組織の情報を吐かせてもいいんけど、彼女を置いて此処を去るなら見なかったことにしてあげてもいい」

私の言葉を聞いて男たちの顔色が変わった。
そして後退る様にその場を去って行った。
恐るべき探偵社の名前の威力…。
残されたのは私と隣でしゃがみこむ女性一人。

太宰「却説、家は何処?」

「…家は無いです」

太宰「…家出?まぁとりあえず私の家においで。此処じゃまた奴らが来るかもしれない」

女性は少し戸惑い乍ら私の出した手を掴んだ。
よくよく見ると女性と言うより少女の方が正しいかもしれない。
近くで見ると突然幼く見える。

少しして家(と言っても社員寮だけど)についた。
心無しか彼女は会った時よりふらふらとしている様な気がした。

太宰「大丈夫かい?」

「はい、すいません…」

体調でも悪いのか、弱弱しい声で返事をする彼女を座らせる。
顔色が悪い。

太宰「休んだ方がいい」

「いえ、大丈夫、です」

太宰「本当に?顔色良くないよ」

「…どうして、助けたんですか」

彼女は私の問には答えず静かに聞いた。
どうしてと言われても…。

太宰「助けたいと思ったから。それだけだよ」

「放っておいてくれれば良かったんです。死んだ方が良いんですから」

太宰「…どうして?」

こんなにも綺麗な女性、否、少女が何故そんな事。
その答えはあまりにも現実離れしていた。







「………吸血鬼だから」

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二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀`) (2018年9月27日 23時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…!頑張らせてもらいます…! (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました!ありがとうございます(*´ω`*)これからも更新頑張って下さい(*´∀`) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…!そう言って貰えるととても嬉しいです!私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月24日 22時

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