言わないで×7 ページ9
ある日の朝。
私は森さんの所に来ていた。
貴方「……森さん、お願いがあるの」
森「ん?何だい」
ニコニコとしながらエリスちゃんと同じ扱いをされる私。
別に嫌じゃないけどちょっとやめてほしいかな。
貴方「私をマフィアで働かせて」
森「何を言い出すかと思えば……。確かにその異能は便利だ。実績もあるから向いていないわけじゃないだろう。でもね、思っている以上に過酷だよ」
貴方「いい。何でもする」
森「……本当はそんな事させたくないんだけどね。君の意思を尊重しよう」
貴方「有難う、森さん」
森さんは少し微笑んでそうだ、と呟いた。
森「確か、君は織田くんを気に入っていたね。彼に面倒を見てもらうといい」
貴方「織田さんに…?」
森「そうだよ。嫌かい?」
貴方「ううん。嬉しい」
森「良かった。今呼んであげるからね」
そう言うと森さんは誰かに電話をし始めた。
広津さんとかかな?
待つこと十数分。
部屋に数回のノックと失礼しますという声が響いた。
森「織田くん、早かったね。まぁ座ると良い」
織田「失礼します」
そう言って織田さんは森さんが指差した私の横に座った。
森「織田くん、君に彼女を任せたい」
織田「俺に……?」
森「これは組織の首領としての命令じゃないよ。私個人としてのお願いだ。彼女を一人でこの世界に出すのは危ない。だから頼みたいのだがね」
織田「わかりました。……でも何故俺が?」
森「彼女が織田くんを気に入っているからだよ」
貴方「織田さん、嫌じゃない?」
織田「嫌じゃない。何も心配するな」
森「良かった。君なら安心して彼女を預けられそうだ」
それから私は織田さんと一緒にとあるアパートの一室に来た。
かなり広い室内に驚き見渡した。
貴方「……ここは?」
織田「今日から俺達の家になる所だ」
貴方「ってことは織田さんも一緒に住むの?」
織田「……嫌か?」
貴方「すっごく嬉しい。お兄ちゃんが居なくなってからずっと一人だったから」
織田「……兄がいるのか?」
そうだ、織田さんに彼の事は言ってないんだった。
別に織田さんはあの太宰治とそういう仲だったって言っても何も変わらないと思うけど、言いたくない。
もし今後織田さんが気づいてしまったというなら話すつもりではある。
貴方「えっ、あぁ違うの。小さい時から一緒にいた人。もう忘れる事にしたのに……」
織田「そうか……。却説、荷物を片付けるか」
無理に聞いてこない織田さんのそういう所が好きだ。
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アミ - この作品、すごく面白かったです!!更新頑張ってください! (2020年4月8日 11時) (レス) id: 808cf034c3 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - モクズノドウケシさん» ありがとうございます…!掛け持ちしてるせいで更新かなり遅くなってしまいましたがここからまた頑張ります! (2019年1月5日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
モクズノドウケシ(プロフ) - 織田さんの出した最後の正しい道……。感極まります……、続きだ。嬉しい。更新頑張って下さいね! (2019年1月5日 13時) (レス) id: fd101bcda6 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - ジブリールさん» ありがとうございます!ゆっくり更新ですが頑張ります…! (2017年12月27日 13時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ジブリール - 続きが凄い気になります!更新待ってますね! (2017年12月24日 22時) (レス) id: 41cfeef620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2017年10月8日 22時