ちょっとクリスマスの話 ページ8
街はイルミネーションやらカップルやらで賑わっていた。
私はと言うと、一人。
別にイベントを一緒に過ごすということにこだわる訳じゃない。
でもただでさえ忙しい事が多くて一緒に休み取ったり何処かに出かけたり出来ないのにこんな日も一人はちょっと寂しい。
本当は一緒に過ごす予定だった。
午前中ちょっと用があって探偵社に行ったけど、その後は何処か行こうと思ってた。
なのにうずまきにいる最近入ったバイトの可愛い給仕さんとずっと話してるから置いてきた。
わかってる。
どうせ私はそんなに可愛くない。
貴方「……さすがに傷つくなぁ」
「何沈んだ顔してんだよ」
パッと視線を上げると私服姿の中也がいた。
いつもと違って真っ黒じゃない……。
私服お洒落で腹立つ。
貴方「暇なの?」
中也「たまたま休みなだけだ」
貴方「あっそ」
中也「何でそんな機嫌悪いんだよ」
貴方「何だっていいでしょ」
中也「太宰か」
またかと言わんばかりに言い放って自分のしていたマフラーを私に巻いた。
そういう優しさが中也のいい所。
貴方「……そう」
中也「別れちまえばいいだろ」
貴方「そうできたらいいんだけどね」
「そんな事させるわけないだろう?」
後ろから聞こえたその声に反射的に振り返ると太宰がいた。
中也「何でいんだよ」
太宰「それ私が言いたいのだけど」
中也「後から来たくせによく言うぜ」
太宰「Aがいる所に私が居ないなんて可笑しいだろう?」
中也「彼女放っといてそれか」
太宰「いいから中也は早く帰ってよね」
彼の軽口に中也ははいはいと流して帰ってった。
もう少しいてほしかったかな……。
太宰「……怒ってる?」
貴方「別に。いつもそうだもん。どうせ私は後回しだから」
太宰「ごめんね」
貴方「いいよ。別に。あの子の方が可愛いもんね」
太宰「そうじゃないよ。……Aのこと話してたんだ」
貴方「……は?」
太宰「ほら、Aあのバイトの子とよく話してるだろう?だから…」
貴方「意味分かんない」
何それ。
話すなら国木田とかにしてくれればこんなに思い悩むことなかったのに。
立ち上がって伸びをする。
太宰「え、A?」
貴方「……今日は大人しく私の言う事聞いててよね」
太宰「許してくれるの?」
貴方「そうは言ってない」
彼は何処か嬉しそうにうふふと笑って私の手を取った。
太宰「ごめんね。何処でもついて行くから」
結局許してしまう私は本当に彼が好きでしょうが無いんだ。
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アミ - この作品、すごく面白かったです!!更新頑張ってください! (2020年4月8日 11時) (レス) id: 808cf034c3 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - モクズノドウケシさん» ありがとうございます…!掛け持ちしてるせいで更新かなり遅くなってしまいましたがここからまた頑張ります! (2019年1月5日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
モクズノドウケシ(プロフ) - 織田さんの出した最後の正しい道……。感極まります……、続きだ。嬉しい。更新頑張って下さいね! (2019年1月5日 13時) (レス) id: fd101bcda6 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - ジブリールさん» ありがとうございます!ゆっくり更新ですが頑張ります…! (2017年12月27日 13時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ジブリール - 続きが凄い気になります!更新待ってますね! (2017年12月24日 22時) (レス) id: 41cfeef620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2017年10月8日 22時