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会議場にさようなら!という大きな声が響いて反響した。
「え、付き合ってなかったのかい?あんなベッタベタのラブソングで」
「そうですが何か?」
ケロリとした彼を列強たちは不思議なものを見る目で見た。
だって理解できない。彼女の声の調子からも、彼からもお互いに恋してることはわかるのに。なのにくっついていないって。
それこそ初心なんてとうの昔に捨てたフランス、イギリスには理解できなかった。相手も自分も好意を抱いたら一足飛びに具体的な行為にでる。
早すぎる?お前らが遅いんだよ。
段階を踏め?一回目のデートでもう踏んでる。
何か不満でも?人間はずっと早く死ぬんだから早くすることしないと。
最低?俺たちは大英帝国様と強くあり続けたフランス様だぜ?最低なんて褒め言葉。
しかしこんな恋の感情は美しいと思う。フランスが言うところの「甘い砂糖」。砂糖漬けになりそうな恋なんて、もうできない。だって国だから。
見た目相応の恋をしているラトビアはすごく、羨ましいというかなんと言おうか。興味がある。だから、幸せになるところまで見て見たいじゃない。
「あれってあの子だよねえ。窓口ってことは」
ロシアがにっこり微笑んだ。
「ああ、彼女ですか」
「あいつあるか」
アジアの一部、そして近隣は頷いている。誰かと考えるがよくわからない。アメリカに至っては考えることを放棄してシェイクをすすっている。
「でもそんなこともあるんですねえ」
「不思議なこともあるあるねえ」
老人二人が物珍しそうに頷きあう。この二人が珍しいというのだから相当のことなのだろう。
「プロイセンくんに回収してもらいましょう」
近くには彼がいる。きっと出会うだろう。
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作者名:何處 | 作成日時:2016年6月26日 21時