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目的地である炭鉱のすぐ側まで来た
1度立ちどまりその場にしゃがんで周囲の様子を伺う


『…気づいているな?』


その問いかけに3人は頷く
先程から付かず離れずの距離に何者かの気配を感じていた

その気配は襲ってくる様子はないがたまたま通りかかっただけとは言えない
ずっと一定の距離に潜んでいて、こちらの様子を伺っているように感じる


『十中八九、グロル国の人間だろうな。』

zm「倒すか?」

『…計画変更だ。お前達は先に行け。奴等は私が相手をする。』

kn「1人で大丈夫か?」

『私を誰だと思っている。早く行け。』


3人は顔を見合せたあと縦に首を振って進んで行った

ブランクがあるとはいえさすが元軍人
その動きは軽やかで音も小さい

私はその場に留まり、敵であろう気配の様子を伺う
3人が進んだにも関わらず近くにいるということは狙いはあの3人じゃない

それならば話は単純だ

手を出してくる様子がないってことは監視を命じられたのか、それとも時間じゃないのか
どちらにせよ敵か味方か判断する必要がある

とりあえず近づいて話をするべきだな

気配のする方へ走り出すと一瞬の間を置いてその気配達は同じように私とは反対側へ移動していく
向かっている方向は炭鉱のある方とは真逆
もしかしたら誘導されているのかもしれない

数分走り続けた後、気配が急に動きを止めた
そのまま近づくとそこにいたのは十数人の兵士だった


『お前達はグロル国の人間か?』


そう問えば先頭に立つ男が頷く


『目的は?』

「…始末人と呼ばれる人間を、殺すこと。」


恐る恐るといった様子でそう言い放った後、彼らは腰に差してある剣に手をかける
それを見て私も持っていた銃を構える
相手は剣を鞘から抜きこちらに向けた

しかし次の瞬間、剣が向かっていったのは私ではなく地面だった

彼等は先頭の男を皮切りに次々と剣を手放していく


『…何のつもりだ。』

「私たちが求めるのは貴方の死ではない。」

『ではお前達は何を望む?』

「…救いを。」


そう言うと彼等は地面に跪き項垂れた
構えていた銃を降ろす
明らかに目の前の兵士には敵意がなかった


「私達はもう疲れてしまいました。
国王の命令で罪のない人達の命をいくつも奪ってきました。」


先頭の男が話し始めた

その様子はまるで独白のようだった

彼は誰かに伝えたいから、知って欲しいからといった感じは受け取れずにただ静かに言葉を紡いでいた

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ライ - すごく面白いです!すごく大好きです!主さんのペースでこれからも頑張ってください! (2022年3月27日 22時) (レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます!この作品リメイク前から大好きです!これからも応援しています!! (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らい | 作成日時:2022年3月9日 23時

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