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「最初は自らの命のために命令をこなしてきました。
死にたくないから、私達は沢山の命を奪いました。」
「国王から、グロル国から、逃れられないことを私達は知っていました。」
「生きるためには仕方なかったんです。
しかし次第に私達は諦めてしまった。」
まるで神を目の前にして、自らの罪を懺悔するようだ
諦めてしまったと話す彼等の顔はどこまでも暗く感じた
跪く彼らを見下ろすように凝視した
「死んでもいいからこの罪から逃れたかった。」
「しかしそれを国王は許さなかった。」
「私達は守るべき存在があります。
ある者は恋人、ある者は両親、またあるある者はまだ幼い子供…。
国王はそれに目をつけた。
守るべき存在が人質に取られてしまったのです。」
「家族のため、恋人のため、私達は私達のためにその他大勢を殺しました。
自分の愛する者の幸せだけを望んで。」
「しかしもう私達は捨て駒だ。
だから決めたんです。今日で全てを終わりにすることを。」
涙を流しながら薄ら笑いを浮かべる彼らから目をそらす
口から吐き出しそうになった空気を体の中に閉じ込める
心拍数が上がり頬を冷たい汗が伝った
『…何故捨て駒だと？』
「今まで私達に殺すように命じられたのは一般市民でありました。
貴方のような実力者は1度もありませんでした。
つまり今回は国王が私達を始末するための任務です。」
使えるだけ使って要らなくなったら捨てる
典型的な暴君だな
1度深呼吸をして脈を整える
「汚れてしまったこの手では愛しいあの人の手を握ることすら出来ません。
それにこの任務で死ねば、きっと愛しい者達には被害は及ばないでしょう。」
『なるほどな。それで、私に一体どうしろと？』
「私達を…始末してください。」
兵士は落ちた剣を両手で拾い上げて私に差し出す
全員が同じ気持ちのようで、項垂れてただ静かにその時を待っているようだった
恐らく本当に全員で話し合って決めたらしい
それほど惨い行いを命じられては逆らうことも出来ずに従ってきたのだろう
彼等の顔はやつれて影がさし、目には生気を感じなかった
死を目の前にして涙を流すことすら出来ないようだ
それほどまでに追い込まれ、ここまで来たのだろう
少しの思考の後、差し出された剣を握って振り上げる
『簡単な依頼だな。』
小さく呟きながら私は勢いをつけて剣を下に振り下ろした
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ライ - すごく面白いです！すごく大好きです！主さんのペースでこれからも頑張ってください！ (2022年3月27日 22時) (
レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品リメイク前から大好きです！これからも応援しています！！ (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2022年3月9日 23時
