74 ページ26
『それと1つ、間違っている。』
shp「え？」
『私は私のためにこの仕事をしている、間違いなくな。』
第一に私に仲間と言えるような存在はない
理由もなく人を殺すような人間でもない
全ては自分のためにやっていること
最初から始末人になろうと思った訳では無い
気がついたら既に私は始末人と呼ばれていた
目的を果たすため、ただ突き進んだ結果が始末人だった
kn「何か目標とか目的があるってことか？」
『そうだ。』
kn「俺らも手伝うから教えてくれ。」
私の目的は私が多くの人の命を奪うことで達成される
つまり彼らが何をしようと私の手助けなどできない
軽く溜息を吐く
『言ったところでお前達にできることは無い。』
zm「じゃあAが何を目指してるのか教えてや。」
『お前達に言う必要は無い。』
方向を確かめるため持っていた方位磁針の向きを確認しようと手を持ち上げる
するとその腕を引かれて掌から方位磁針が抜け落ちた
腕を引いたのはショッピだった
強く握られた腕は簡単には振り解けそうにない
shp「俺らが信用出来ないからですか？」
『何のことだ。』
shp「Aさんが、その仕事をする目的を言ってくれないのは。」
問いのようで問いではない
まるで確信を持っているのかのように聞こえたその疑問に私は溜息を吐いた
勢いよく手を振り下ろして拘束を解き、落ちた方位磁石を拾いながらその問いに対する答えを告げる
『言ったところでお前達に出来ることなどない。』
zm「聞いてみないとわからんやんか。」
『分かる。分かるから言っているんだ。』
zm「…俺らはそんなに頼りないんか？」
『お前達に頼る必要が無い。生憎信頼も信用もしていない相手を頼るほど私は弱くない。』
落ちた方位磁石についた汚れを落として方角を確認する
こんなところで話をしている時間はないんだが
kn「…そうか。でも俺達はAのこと信じてるからな。」
『お前達が私にどんな感情を抱こうと興味はないな。兎に角行くぞ。』
止めていた足を再び動かし始める
夜は深まり、木々の隙間から溢れる光を頼りに目的地へと向かう
始末人は任務を必ず遂行する
彼等と私の関係は雇用関係に過ぎないだろう
そこに信用や信頼なんてものは存在していないが
依頼を受けて私が動いているだけ
信用されようが信頼されようが、私にはそんなことどうだっていい
冷たい風が吹き木々が少しざわめいた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ライ - すごく面白いです！すごく大好きです！主さんのペースでこれからも頑張ってください！ (2022年3月27日 22時) (
レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品リメイク前から大好きです！これからも応援しています！！ (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らい | 作成日時：2022年3月9日 23時
