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『私がお前らの面倒を見てやる道理はないが、行き場もなく傷だらけの人間を追い出すほど非人道的でもない。
勝手に出ていって構わないし、この館内の物は勝手に使っても構わない。
キッチンも風呂も勝手に使え。
生憎だが男物の服はない。食材もそこまであるとは言えん。
とりあえず明日まで我慢しろ。』
じゃあ、と言って部屋を出ようとすると待ってください、と引き止められる
そりゃ聞きたいことは沢山あるだろうな
『お前らが沢山聞きたいことがあるのは分かる。
だがもう夜も深い、質問は明日の昼以降にしてくれ。』
「昼以降？」
『午前中は用事で外に出るからな。』
依頼主に報告と、彼等の服と食材を買いに行かなくては
面倒だが彼等も人間だ
人間としての最低限生活は与えなくてはいけない
それを与えるのは私の義務だとは思わない
だが今それを出来るのは私しかいないから仕方ない
『私の部屋は2階上がってすぐだ。用があったら来い。』
今度こそ部屋を後にする
自室に戻って椅子に腰掛け脱力する
家に人がいるということが初めてなので少々気疲れする
面倒なものを引き取ったが動物と違って言葉は通じるしある程度のことは勝手にやってくれるからいいだろう
我々国が敗戦したときは確かに話題になったが正直関心はなかった
まさかこんな形で関わるとは思わなかったがな
結局オーナーは始末したし小切手も回収済みだから金はある
金の心配は無いに等しい
何かの縁だ、我々国について調べようか
と言っても全く興味がなかったので敗戦後すぐの新聞等はあまり残っていない
自室にある資料の束から我々国が載っているであろうものを引っ張り出す
軍事国家
グルッペン･フューラー率いる幹部14人で統治された国
敗戦後、幹部の行方は不明
『…似たような情報しかないな。』
似てるし誰もが知っているような情報に資料を投げる
彼等の生活は保証するがいつまでもここに居座られるのは面倒すぎる
かと言って彼等には頼れる人なんているのだろうか
国は滅び、仲間とは離れ離れ
その生死すら不明
敗戦国の幹部が生きていることは有り得ない
普通敗戦した国のトップ含め幹部連中は処刑されるはず
なぜ生き残っているか不思議でしかたない
布団に潜り込み目を瞑る
彼等は相当警戒心が強かったから安眠はできないだろう
布団があるだけマシだろうな
明日からどうしたものか
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詩紀(プロフ) - 上級階級じゃなくて上流階級じゃないっすかね (2022年11月28日 10時) (
レス) @page2 id: 8014baf7d5 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！頑張って下さい！！ (2021年11月22日 21時) (レス) @page43 id: 52f70d6a1c (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - わお、細かいとこまで繊細に書かれておりますねえーすげー一生ついていくっす作者様のらいの兄貴！更新頑張ってくださいなー (2021年10月7日 23時) (レス) @page33 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - この話凄く大好きだったのでまた読めて凄く嬉しいです！これからも応援しています！！ (2021年7月17日 0時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
あお - わわ、、、お帰りをお待ちしておりました、、！また貴方様の素敵なお話を読めると思うととても嬉しいです！これからも頑張ってください！ずっと応援しています！ (2021年7月16日 19時) (レス) id: eb48003aef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2021年7月10日 21時
