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『準備は出来ているか、ゾム。』
zm「出来とる！」
説明を終えゾムに声をかける
ゾムは先ほど伸した警備員の服を剥ぎ取りそれを着ていた
ゾムの背後から覗く二つの視線は明らかに敵対心が込められているが無視する
今はとりあえず外に出ることが優先だ
ゾムは私たちが外に向かっている間に二人を連れて別ルートで外に向かう
最悪警備員に見つかったとしても逃げ出した奴 隷を捕らえた警備員のふりが出来るだろう
はー、と肺の中の空気を吐き出す
『行くぞ。』
最初に爆発させる爆弾の起爆装置を押す
大きな破裂音が響き渡り建物が揺れる
捕まっていた奴らに着いてくるように指示して先を行く
外に出るだけならそこら辺の窓でも割っていけばいい
しかしこの館の窓は全て強化ガラスで出来ており、それを割ることは難しい
このガラスを割るにはそれなりの工具が必要で時間もかかる
割っている時間に警備の兵に捕まる可能性が高い
ならば正面突破で行くしかな
館内は突然の爆発に慌ただしくなっていた
誰かが怪我でもしたのか助けを呼ぶ声も聞こえる
出口が近づいてきたので次の爆弾の起爆装置を取り出す
『さっき説明したように次の爆発で外まで走るぞ。
その間、後ろから警備が叫んだり銃を発砲してきたりするだろう。
だがお前達は後ろを振り返るな、ただ前を見て外に出ることだけを考えろ。』
私の言葉に覚悟を決めたように頷く
彼等が外へ向かっている間に警備を始末し、彼等が外に出ることが出来た後にゾムと合流する
逃走経路は天井のダクト
一人で外に出るだけなら簡単なことだ
顔を布で覆い素顔がばれないようにしてから起爆装置を押す
『走れ！』
響き渡る爆発音と共に指示を出す
彼らに先に行かせ私は最後尾を走る
「奴 隷共が逃げ出してるぞ！」
「捕まえろ！！絶対に外に出すな！」
その声で私は足を止めて振り返り銃を構える
煙弾が詰められている銃を追ってくる奴らの足元に撃ち、煙を発生させる
その煙に向かって実弾を無差別に撃ち込む
彼らの行く手を阻むもの全てが始末対象だ
煙が晴れると人だったものがあたりに転がっていた
彼らのほうを振り返ると既に外に出ていて、待機していた国軍に必死に状況を説明していた
私の仕事は終わり
あとは彼らと国軍に任せておけばいいだろう
被害者がこれだけいて、ここまでの騒ぎになってしまったら国はあの貴族を放っておけないだろう
私はトントンとオスマンによって組まれた逃走経路を辿り外に出た
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詩紀(プロフ) - 上級階級じゃなくて上流階級じゃないっすかね (2022年11月28日 10時) (
レス) @page2 id: 8014baf7d5 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！頑張って下さい！！ (2021年11月22日 21時) (レス) @page43 id: 52f70d6a1c (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - わお、細かいとこまで繊細に書かれておりますねえーすげー一生ついていくっす作者様のらいの兄貴！更新頑張ってくださいなー (2021年10月7日 23時) (レス) @page33 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - この話凄く大好きだったのでまた読めて凄く嬉しいです！これからも応援しています！！ (2021年7月17日 0時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
あお - わわ、、、お帰りをお待ちしておりました、、！また貴方様の素敵なお話を読めると思うととても嬉しいです！これからも頑張ってください！ずっと応援しています！ (2021年7月16日 19時) (レス) id: eb48003aef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2021年7月10日 21時
