第1話 ページ1
出会いと別れの季節──春。
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男子「あのっ,ずっと前から好きでした!
付き合ってください!」
今年で“五回目”の告白。
A「えーと……ごめん。
彼氏いるから……」
そう答えると,相手の男子は思い切り悲しそうな顔をした。
男子「……そう,ですか……」
そう言って,駆け足でその場を去る。
今日で二回目のこの下りを見た私は,
ため息をついた。
最初は嬉しいなって思えるぐらいだったんだけど……。
この頃,同じようなことばかり起きてうんざりしてきた。
A「はぁ……」
桃井「Aちゃん♪」
ギュッと後ろから抱きつかれた。
振り返らなくてもわかる。
A「さつき……」
桃井「すごいね,今日で二回目の告白でしょ?Aちゃんモテモテ♪」
なぜか,さつきはいつも告白の現場にいる。
A「嬉しくなんかないよ……。彼氏いるんだから……」
こんな場面見られたらヤバイよ。
桃井「あーっ,そうだよね〜。“きーちゃん”って独占欲強いから」
“きーちゃん”というのはさつきが名付けた私の彼氏のニックネームだ。
A「そうだよっ。涼太はものすごくヤキモチ焼きなんだから……。こんなの見られたら,すっごく……」
けど,涼太だって女子に常日頃囲まれてるんだから言えないとは思うんだけど……。
桃井「でも,ヤキモチ焼いてくれるのって,それだけきーちゃんがAちゃんのことを大事に想ってるからだって私は思うよ?
羨ましいなぁ,Aちゃん」
あ,そっか。
さつきは黒子が好きなんだよね……。
さつきの黒子に対する態度はひどくわかりやすいと思うけど,黒子が気にしている様子は見られない。
さつきの片思いなのかな?
桃井「それより,体育館に戻ろう?きーちゃんたち待ってると思うよ」
A「うん,そうだね……」
この後,涼太にどやされることを予測せず,私はさつきと体育館へ戻った。
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作者名:ルナ | 作成日時:2014年1月28日 21時