『第42話!病院へ(2)』 ページ45
ジョースターさんの病室の前に着いた。
看護師さんたちは、私たちの方を…いや、正確に言えば、スッピーを見てなにやらヒソヒソと話している。
正直、ものすごいイヤな気分だ。時折こっちをちらちら見てるのもムカつく。幸い、スッピーは気づいていないようだったが。
「確かここが病室だったな」
彼がそう言いノブに手をかけたとき、ガチャリとドアが半開きになり、どちゃくその別嬪さんが顔を出した。
エリナ嬢だ。
「なにか…。この部屋は面会謝絶です」
彼女の目の異様なまでの冷たさは有無を言わせず、理由を知ってる私でも、その強さの前に屈してしまいそうだった。
「め…面会謝絶!おれは だからこそ来た!会いたい!!おれは彼の友人だ、会う必要がある!!」
「看護はわたくしどもが十分やっております。後日いらしてください………」
そう言ったきり、ドアがバダムと閉められる。
「おい!ちょっと待てッ!… 開けろッ!看護だとッ!技術はまかせる、どうでもいいんだ!! 心だ!あの人には今、心が必要なんだッ!!」
スッピーがいくら叫べど、叩けど……ふたたびドアが開くことはなかった。
「〜〜ッ!!…。行くぞ……A」
『あら…あんたにしちゃあ、いやにおとなしいんじゃあ?』
「そうさ、ふだんなら腕ずくでも突破するところだが、出なおしてーーー…」
『いつよ』
「夜だ、今夜………今夜、しのび込んで会うことにしたぜ!」
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夜、病院に忍び込む影があった。…ってのは、小説の書き出しあるあるだろう。え、違う?まじ?
…ともかく、私とスッピーは高い塀をよじ登り(正確に言えば、私は鉄格子をすり抜けてきたのだが)、病室の敷地内に潜入した。
「おお…イテテテテ…イテェーッ!…おいA!あんまりうるさくするんじゃあねェーぞ……うるさかったら、"コレ"だからな!」
スッピーはそう言い、拳をグッと握りしめてみせる。
『そっくりそのままお返ししたい気分だからな。スッピー…あんたのが声もよく通るんだからな?』
「ンだとォーー?!」
『だから黙れて』
現在の時刻、午前1時である。焼け跡から掘り当てたスマホで見た。間違いはない。だのに、ジョースターさんの病室からは灯りが漏れていた。
スッピーが、そのドアを少しだけ開ける。
「こ…これはッ!」
『シッ!』
中では看護師ーーエリナ嬢が、指先をぼろぼろにしながらも、甲斐甲斐しくジョースターさんの看護をしていた。
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さむわん(プロフ) - こばんさん» あなや…感無量です、そこまで見ていただけるなんて…!油断してるとここの夢主はバブみとか言い出してしまいますからご注意なのですよ…… (2017年4月17日 1時) (レス) id: 1d8895c809 (このIDを非表示/違反報告)
こばん(プロフ) - すごく面白いです!シリアスのシーンにIQ2(ディスってないですw)のセリフをわんさか盛り込むところがめちゃくちゃ面白くてほんとに好きです 笑今後も更新を楽しみにお待ちしております!応援してます! (2017年4月16日 13時) (レス) id: d99ba419e7 (このIDを非表示/違反報告)
さむわん(プロフ) - ミコさん» ありがとうございます…ありがとうございます……(語彙力の消滅) (2017年4月12日 22時) (レス) id: 1d8895c809 (このIDを非表示/違反報告)
ミコ - 最高です( ´,_ゝ`)<説明不要 (2017年4月9日 13時) (レス) id: c278301869 (このIDを非表示/違反報告)
さむわん(プロフ) - jojo悪大好き系女子(???????)?さん» ブッ倒れる程嬉しいです…ありがとうございます……!! (2017年4月4日 13時) (レス) id: 1d8895c809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さむわん | 作成日時:2017年2月27日 21時