無口3 ページ4
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私は今、上層部に呼ばれて来ている
いくつかの扉が私を囲んでいる
床がコンクリなら障子じゃなくてdoorにすればいいのにな
来る途中で五条とすれ違った
五条も呼ばれていたのか
「祈本里香 422秒の完全顕現、どういうことだ」
しゃがれた声で私に言う
カンゼンケンゲンとかいう難しい単語使うな
もっと簡単に説明してくれ
「お前は監視役なんだぞ?目を離した隙に町が消えたらどうするんだ。お前諸共死刑執行だぞ」
『知りませんよ(そんな話いいから早く可愛い生徒に会わせろ)』
「監視役が目を離してどうするんだ!こうなることを防ぐためにお前をつけたというのに」
上層部は憂太くんと里香さんを人間として見ていない
確かに里香さんは過呪怨霊だが、彼らは監視されるべきではない
上層部は私を監視役だと言うが、私にその気は無い
『私はあくまでもあの子らの専属教師です。乙骨憂太は必ずこれからの呪術界を担う人間になる。そんな貴重な人材を老い先少ない老人共が消すなんておかしいとは思いませんか?』
だから私達が育てるんだ
「口の利き方を改めろ馬鹿者が」
「お前にも死刑判決が出ていることを忘れるなよ雪乃波、勝手なことをするな」
猶予期間だし良くないか?まず私は悪くないだろ
『私が全責任を負う。町が消える前に私が何とかするさ。それに、若者の青春に手を出すなんて許されないんだ』
「(五条に似てきたなコイツ)」
『(学生時代の春って何で青いんだろうか…)』
話が終わったらしいから、出口へと向かった
扉に手をかけた時後ろから話しかけられた
「お前も乙骨も秘匿死刑は保留だということを忘れるな」
『…それ五条にも言いましたね?』
「っ、何だ」
『特級呪術師が皆して
ニコリと作り笑いをして見せ、そのまま外へ出た
作り笑い苦手なんだよな
チョウチンアンコウみたいな笑みに上層部が震えていたとか知らない
知らない(洗脳)
最初、教室へ向かう時に五条と一緒に憂太くんを迎えに来た大きな鳥居の所へ来た
「顔死んでるぞ、あ、いつもの事だったわ」
『なんだよ』
ムカつく野郎だなほんとに
会った時と容姿も変わっちゃいない
甚爾「根暗になったな、クソもやし」
『ゴリラには分かんねえよ、この気持ち』
甚爾「お前の責任じゃねえだろ」
不覚にも頭を撫でられた
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作者名:鷲わし | 作成日時:2022年2月13日 23時