認めてもらえること◇13.06.05 ページ30
＊
2日目、自由行動を終えたら少し早めにホテルに戻って、
ホテルからすぐの喫茶店で、のっくんたちと落ち合う計画。
「…先生達にバレたらどうする？」
「大丈夫だって。さっさーには口止めお願いしといたし」
自信満々の碧海は、
スマホを見ながら、私を喫茶店まで先導した。
久しぶりに会ったのっくんとぷんちゃんは、
少し髪が伸びて、のっくんは髪色が落ち着いたかも。
「ひっさしぶり！今日修学旅行ってほんま？」
「二日目だよ、今日はUSJ行ってきたの」
のっくんは碧海の背中を押して、喫茶店に入れる。
「Aちゃん、何食べたい？クリームソーダ無いねんけど」
ぷんちゃんは扉を押さえて、私を中に入れた。
「ぷんちゃんは何飲むの？」
「アールグレイ！無糖のやつ」
「アール…何？私もそれにする」
薄暗い外。
窓際の席に座って、すぐにのっくんが呼び出しボタンを押す。
頼んだのは、ビールと、紅茶二つと、オレンジジュース。
「のっくん、もう飲むん？！」
「もう夜やろ？」
のっくんはあははと笑ってから、斜め前に座った、私の顔をジッと見た。
「…何か付いてる？」
「いやぁ、Aちゃん、疲れてるやろ…？」
「そんな事ないよ…」
「ううん、顔色良くないで」
隣に座ったぷんちゃんが、私の目に顔を近付けた。
「ちゃんと食べてる？痩せたんちゃう？」
「ぷんちゃんに言われたくないよ…」
ぷんちゃんものっくんも、あんまり食べない人だから、すらっとしている。
「…自分から会いに来てくれるなんて珍しいやんか？Aちゃん、何か悩み事でもあるんちゃうかなって」
ぷんちゃんは眉を吊り下げる。
私は首を横に振った。
碧海は、黙って私を見てる。
「……もしむすめんが悩みのタネやったら、申し訳ないからさ」
のっくんが、ぽつりと言った。
「…お母さんみたいなこと言うね」
「うん、ママなら絶対言うと思うで」
「あんまさ……無理せんといてよ、子どもなんやから、もっと周りに頼っていいんやで？」
ぷんちゃんが、私の背中に手を置く。
「…子どもじゃない…」
「子どもやって」
少しの沈黙。
飲み物が運ばれてきて、通路側に座ったぷんちゃんとのっくんが、それを受け取った。
「私、やっぱり歌が怖いよ」
私の目の前に紅茶が置かれた時、
ちょうど、言葉が出てきた。
「……」
「認めてもらえることは嬉しいけど……もう一回ステージに戻ってきて、って言われても、怖いだけだよ…歌のスタジオに篭ってみても、なんにも分からないの、思い出せないの…楽しかったはずのことが、全部」
良くないっていうか◆13.06.05→←会いに行こうね◆13.06.04
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ひな(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！！申し訳ありません、うっかり忘れてました…(_ _)更新頑張ります、よろしくお願いします…！ (2018年10月7日 19時) (
レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 楽しみにしてます！これからも更新頑張ってください〜！あ、あと(人1)の変換ないので作るか全て(名前)に統一して下さるとありがたいです！ (2018年10月7日 16時) (レス) id: aa9580c9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2018年10月6日 5時
