良くないっていうか◆13.06.05 ページ31
「今でもたまに、夢に出るんだよ。私に一斉に向かってるスポットライトの光とか、ヒールの靴の窮屈だった感覚とか、手のひらの熱がマイクに伝わってく感じとか」
のっくんとぷんちゃんは、人1を見てる。
人1は俯いている。
「あの時の人の目を思い出す時が……一番怖くて。
…私は、強くないからさ、人の目に映る、失望、みたいなのが……良く見えるし、それが怖い。
元々、品定めされることが、そんなに好きじゃなかったのかも…」
のっくんたちが黙っていると、
人1は顔を上げて、口角も上げた。
「……それだけだよ！別に、出演依頼とかが来てる訳でもないのに、ジイシキカジョー？だよね…打ち明けたらスッキリしちゃった」
ミルクティーのカップを手のひらで包み、ストローで飲む人1。
ぷんちゃんが、無糖はAちゃんにはちょっと早いかもな、って甘いやつを頼んでた。
「ぷんちゃんは？ぷんちゃんは、何か困ってることあるの？」
そして隣のぷんちゃんを見上げた。
ぷんちゃんは微笑んだだけで、
人1の頭を撫でている。
人1は、ん？って、笑って首を傾げた。
「…あのさ、A」
俺はオレンジジュースをちょっと吸って、人1を見る。
「俺はさ…ホント、無理に向き合わなくていいんじゃないかな、って思ってるよ」
「…」
「歌うAは好きだったよ、今も好き、だけど……本人ツラいんなら元も子も無いじゃん？…だから…」
「…歌のレッスンの話…？」
「うん…もう行く気ないなら、はっきり断っちゃおうよ。母さんに頼めばいいよ。ツラいだけだもん」
周りの大人が勧めた道だけを、
通ってしまいそうになるのが、人1の性だ。
「…私、歌うことは好きなんだよ。みんなのボイトレも、あおいの動画で歌うのも、好きでやってるんだよ」
「……知ってるよ」
「…ぐだぐだ引きずんのは…良くないよね」
「良くないっていうかさ…俺がAだったら、ツラいんだもん」
人1が無理やりステージに引っ張り出されて、
さらにトラウマを植え付けられたら、歌うことすら嫌いになっちゃう。
…だから、正直、やっぱり、
東京公演の時みたいなやつ、俺は賛成しないよ。
何とか成功したし、誇らしかったけどさ、
人1は精神的に、多分まだ不安定だし…
「……俺、いっぱい考えたんだよ？ちっちゃい脳みそでさ、Aにとって何が一番良いのかなってさ。で、何度考えても、やっぱり俺はそう思うの。あんま無理しない方がいいよ。時間が解決してくれるって言うじゃん、色々とさ…」
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ひな(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！！申し訳ありません、うっかり忘れてました…(_ _)更新頑張ります、よろしくお願いします…！ (2018年10月7日 19時) (
レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 楽しみにしてます！これからも更新頑張ってください〜！あ、あと(人1)の変換ないので作るか全て(名前)に統一して下さるとありがたいです！ (2018年10月7日 16時) (レス) id: aa9580c9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2018年10月6日 5時
