10色目 ｢結局数に勝るものはこの世にないんだよ｣。 ページ9
骨喰が私に触れた事には驚いたが、今はそれどころじゃなかった。脚の痛みが酷い。こればっかりは痛み止めでもなんでもどうにもならない、
｢骨喰、ありがとう｣
｢……礼はいい｣
骨喰はそのまますぐ作業に戻ってしまったが、だが確かに返事をしてくれた。それだけでも大きな前進だ。
ズキズキと痛む脚をなるべく刺激しないように、座ったまま空を見る。……今日は天気がいい。
｢審神者殿？何をなされているのですか？｣
｢あ、一期｣
木片を持った一期が入口から出てきて、私に問うてきた。まァみんなが必死に働いてる中で1人休んでる奴がいたらそんな反応にもなるだろう。
｢いや、少し脚が痛んでな。骨喰に休んだ方がいいって言われてここに運ばれたんだ｣
｢なるほど、そうでしたか｣
それだけ言うと、またさっさと木片を荷車に置く一期。……もう少し話したいんだがなァ……。
脚の痛みも引いた頃、また私は作業に戻っていた。というより、痛みが引いてからはひたすら何時間も作業していた。いつの間にか一期と骨喰以外の粟田口の奴らとは普通に話していたし、作業自体も順調に進んでいった。
｢ねえ審神者さん！ご褒美のお菓子はなに？｣
｢お？そうだなァ、ミニドーナツにするか！｣
｢ドーナツ！やったあ、ねえみんな聞いた!? ドーナツだって!!｣
｢はいはい包丁、分かったから。あとちょっとだからもう少し頑張ろ？｣
信濃が穏やかに包丁に笑いかける。そして今度は私の方も向いた。
｢審神者さん。ドーナツ、俺達も頂いていいかな？｣
｢え？ああ、もちろんいいけど。私からもらって大丈夫なのか？｣
｢うん。もう大丈夫｣
｢そうか、ならいい｣
木片の取り壊しはほぼ終わり、あとは新しい木材や戸を取り付けるだけになっていた。思ったよりも大人数で作業ができたから、かなり早くに手入れ部屋の修繕は終わりそうだな。もう日も傾きかけている。
｢んん……今日の晩メシはどうするか……｣
ゆるく傾いている太陽を見ながら、ふと呟いた。
｢僕達がお手伝いいたしましょうか？｣
｢え？｣
声のした方を見れば、前田が立っている。
｢昨日、審神者様のお作りになったお料理をいただいたんです。とても美味しかったです。ありがとうございます｣
｢おお、食べてくれたんだな｣
｢なのでそのお礼に、僕達がお手伝いをと｣
……お、おう……？
11色目 ｢完全に油断しきっていたが薬研は私の天敵だった｣。→←9色目 ｢信用を積み重ねるのは積み木を並べるより難しい｣。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蜂蜜パスタ | 作成日時：2024年1月11日 20時
