【刀剣乱舞】愛せないから愛させない。* 伍色* (ページ7)

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8色目｢自分の意思を出してくれることほどありがたいことはない｣。ページ7

下を向き、黙ってこくりと頷く小夜。……やはりか。

｢何故か分からないけど、あの人は僕の青い髪が気に入らなかったみたいなんだ。髪の色に、色々なことを言われた……｣
｢……そうか。……なんで髪色がダメだったんだろうな、頭のおかしい奴だな。私は前にも言った通り、青い色は好きだぞ。青は私で、赤は兄さんだ｣
｢……それで特別なの？｣
｢そう、それで特別なんだ｣
｢そっか……｣

しばらく黙りこくっていた小夜だったが、またぱっと顔を上げて、やはりまっすぐ私を見ながらハッキリと言った。

｢やっぱり、僕はあなたの刀になりたい。兄様を心配させたくないから部隊には入れないけど、僕はあなたを僕の主にしたい｣

揺らぎのない、一直線に見つめてくる瞳。ふふ、これに応えずしてどうする？
覚悟を決めた私は、同じようにまっすぐに小夜の瞳を見つめ、言った。

｢もちろん。私の刀となってくれ、小夜｣
｢うん。……僕をあなたの刀にしてくれて、ありがとう｣
｢礼はこっちが言う側だろ。小夜、ありがとうな｣

お互いふっと笑いながら、互いに結んだ｢絆｣を確かめた。
ところで、と小夜が言う。

｢修繕の方はいいの？｣
｢あっやっべ行かねェと。えっと……小夜も来る？｣
｢うん、手伝うよ。兄様には……あとでなんとかして言うから｣
｢あはっ、結構大雑把なんだな。じゃほら、荷車に乗れ！｣
｢えっ｣

ひょいっと小夜を抱き上げて荷車に載せると、そのまま手入れ部屋に荷車をガラガラと押して行った。修繕の道のりはまだまだ程遠いぞ。

｢おっ、小夜すけ？｣
｢…薬研さん｣
｢なんだなんだ、小夜がくっついてきたぞ｣
｢え？小夜だって？いいのかい？こんなとこに来て｣

わらわらと第一部隊の奴らが集まってきた。やめろよ集まるなよ。ほら小夜困惑してるじゃん。仕方がないから私が説明することにした。

｢小夜も正式に私の刀になってくれたんだ。部隊には入れないらしいが……それで、ここの修繕も手伝ってくれるそうだ｣
｢大丈夫なのか？江雪に怒られたりしないか？｣
｢江雪兄様は優しいから怒りはしないと思う。でも心配はすると思う……｣

小夜が困ったように言うもんだから、私も少しやらかしたかなと思った。いきなりこんなところに小夜を連れてくるなんて誘拐同然じゃないか。

｢でもきっと人手が足りなくて困ってると思ったから、僕は平気だよ｣
｢おっ、ほんとか？助かるぜ！｣

ケラケラと獅子王が言う。獅子王が言うならいいか……本当にいいのか……？