【刀剣乱舞】愛せないから愛させない。* 伍色* (ページ6)

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7色目｢貴重な同じ青が、私に味方してくれるなんて｣。ページ6

小夜は少し目線を左に動かしてから、その後まっすぐに私を見てこう答えた。

｢江雪兄様には、危ないから部隊には入らない方がいいって言われた｣
｢……そうか。分かった｣

まァ、そうはなるよな。予想は付いていた。自分の弟がずっと重傷放置(あんなこと)されてたんだし、私も私で初日に馬鹿の啖呵切っちまってるんだから、警戒されても仕方ない。
下を向いて首を振った私に、小夜はでも、と続ける。

｢僕個人の感情として言うなら……僕はあなたの刀になりたい｣
｢……え？｣

驚いた。まさか小夜からそんな言葉が出てくるとは思いもしなかったから。今まで見てきた中で、乱の次くらいには私に怯えていた小夜が。私の刀になりたいって？

｢じょ……冗談じゃないよな？だってほら、私だぞ？色々見たろ？いつ手が出るかも分からないんだぞ？｣
｢でもあなたは、僕を直してくれた。……美味しいものも食べさせてくれたし、掃除をする時は一緒にしてくれた。……僕の意思を尊重してくれたから｣
｢たっ……たったそれだけで？｣

驚いて荷車をその場に置き、そのまま小夜と向き合う。私がしたことと言えば、手入れ程度しかない。あとはお菓子を一緒に食べたくらいか。
そもそも私はあの時、部隊に入ってくれとしか言わなかった。それなのに、もう私の刀になると決意してくれただなんて。

｢僕は、あなたが悪い人には思えない。それに……ほら、僕とあなたは、同じ髪色をしている。あなたがいるなら、僕も自分の髪の色を好きになれそうだと思ったんだ｣
｢髪色……｣
｢僕は……｣

ここで小夜は俯き、黙ってしまった。そして"色"が纏い始める。……これは……。

｢……小夜。今から私がする説明を、聞いてくれるか？｣
｢う、うん……何を話すの？｣
｢私の、とある感覚についてなんだけど……｣

思い切って、"色"のことを小夜に説明した。一言一言、頷きながら小夜は聞いてくれる。全て説明し終わったところで、小夜は口を開いた。

｢つまりあなたは、不思議な感知能力を持っているんだね。それで、僕に今その話をしたということは、僕に何かその"色"が見えたってこと？｣
｢ああ、そういうことだ。理解が早くて助かる。それで、えっと……答えたくなかったら答えなくていい。嫌なことを思い出させちまうだろうから｣
｢大丈夫。何でも答えるよ｣
｢そうか……ありがとう。……小夜は……｣

一呼吸置いてから、こう問いかけた。

｢髪色が原因で、前審神者に虐げられていたんだな？｣