【刀剣乱舞】愛せないから愛させない。* 伍色* (ページ35)

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33色目｢確かにアイドルと言われるのも分かる、顔いいもん｣。ページ35

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入院生活から4日が経った。おっちゃんによれば、気管支の炎症が収まって喘息症状が完全になくなれば、退院できるらしい。｢最低でもあと3日かかるかもね｣と今日の回診で言われてしまった。はァ、本丸の奴らは大丈夫だろうか。

点滴を打たれながらぼけーっと考え事をしていると、ナースコール越しに声が聞こえた。

『xxxちゃん、お見舞い客が来たよ。お仕事場の同僚さんだって』
｢え？……わかった、今行く｣
『ううん、お仕事に関することを話したいみたいだから、個室がいいって。今呼んでくるね。それにしても可愛い男の子だよ、アイドルでもやってるのかな？』
｢可愛い男の子……？｣

ちょっと待っててね、という看護師さんの声と共にナースコールは切れた。それにしても、可愛い男の子……？仕事の同僚と言うものだから朱月さんかと思ったが、朱月さんは立派な成人男性だ。おそらくアニキより5つほど年上くらいの、30手前くらいの。
可愛い男の子の、仕事の同僚……？

考え込みながらしばらくすると、コンコンとドアがノックされた。

｢どうぞー｣
｢……失礼いたします｣

すっとドアが開き、そこに立っていたのは……。

｢は、白山……!?｣
｢静かに。わたくしは今、『白山(しろやま)』という名前でここに来ております。そして、あるじさま以外の方には、黒髪の少年にしか見えておりません｣

ぽかんと口を開けたまま、黙ってしまった。刀剣男士って、こっちに来れたのか……!?
学生服のような、白いワイシャツにズボンを着た白山は、確かに何も知らなければ｢仕事の同僚｣と言われても遜色ない。アルバイトの少年、程度には見える。

……それにしてもだ。

｢どうやってここが分かったんだ？それに、私の『名前』も知らないだろ｣
｢この病院の所在地は、担当者の方に教えていただきました。あるじさまのことは……｢仕事の関係で本名を知らないのですが、青い髪の方がいるはずです｣と。あるじさまが入院手続きに出したであろう、時の政府の住所も、事務の方には提示してあります｣
｢……なるほど｣

｢青い髪｣といえば私くらいだ。そうなればすぐに誰でも私のことだと分かる。……ちょっと待て。

｢個室にある入院患者の名札があったろ。まさか読んだか？私の真名……｣
｢いいえ、読んでいません｣
｢嘘じゃないな？｣
｢嘘ではありません。誓います｣
｢……わかった、信じる｣

ふうっと息をついて、また白山を見た。

｢それで、なんの用でここまで来たんだ？｣