19色目 ｢だからもう頼むからみんな"色"を知っててくれ｣。 ページ20
｢そうだ……そうなんだ、俺は『山姥切国広』なんだ。偽物なんかじゃない｣
何故か声を震わせ、そう訴える山姥切。そんなに重要なことを私は言ったのだろうか。
｢えっと……｣
ここでおずおずと堀川が手を上げ、私に聞いてきた。
｢今審神者さん、どうやって写しのことを知ったんですか？｣
｢あっ……と…えっと……｣
これは……なんて答えよう。｢───｣のことはあまり言いたくないが、答えなければ話が拗れてしまう。…意を決して言おうとした、その時だった。
｢大方、この前話していた"色"を使ったんだろう｣
｢色？｣
｢あっ……うん、そう。"色"で感じ取らせてもらった。……その、実はだな──｣
そうだ。山姥切には"色"のことを説明していたじゃないか。そのおかげかなんとか誤魔化すことができ、ついでに2人に"色"を説明するタイミングもできた。なんという好機！
｢不思議ですね…共感覚とも超能力とも違う、特殊な感覚、ですか｣
｢拙僧には理解し難いが、審神者殿は特別な才覚に恵まれたのであるな｣
｢兄弟、気をつけた方がいい。気を抜いているとこいつに思考を読まれるからな｣
｢いやいや待て待て、普段は私も無闇矢鱈に思考を覗いたりしないって｣
あの時思考を読んだのは事実だろう、と眉をしかめる山姥切。確かにそれはその通りだが、私がいつでも思考を読めると思われちゃ困る。それに、と付け加えた。
｢私にだって、分からない時は全く分からないんだ。"色"が全く見えない時もある｣
｢見えない時もあるんですか？便利なのか不便なのか分かりませんね｣
｢普通はない方がいいんだろう。便利でも、『普通』になるなら“色覚”なんていらないからな｣
｢僕はロマンがあっていいと思いますよ｣
無邪気に笑う堀川。くぅぅ、そんなふうに言われたら私もこの“色覚”を堂々と人に披露できてしまう……!!
そうこう話しているうちに、山伏の手入れが終わった。見事な美しさだ。鞘にしまい、ほら、と返す。
｢これで私の仕事は終わりだ。体の調子はどうだ？｣
｢うむ、随分と軽くなった！やはり怪我のない体が1番である！カカカカ！｣
ほっとした。と、同時に心が暗くもなる。まだ何人、中傷者がいるのかわかったもんじゃない。
心置きなく、というわけではないが、3人を見送ることにした。
｢じゃあまた来る、
｢体には気をつけてくださいね、
｢無理はせぬように、
｢ああ、分かっ…うん？｣
なんて???
20色目 ｢そろそろ喘息症状が酷くなってきたかもしれない｣。→←18色目 ｢折り紙の鶴で例えられるのすごく分かりやすい｣。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蜂蜜パスタ | 作成日時：2024年1月11日 20時
