【刀剣乱舞】愛せないから愛させない。* 伍色* (ページ19)

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18色目｢折り紙の鶴で例えられるのすごく分かりやすい｣。ページ19

｢それで……山姥切は？｣
｢俺は…………｣

山姥切に問うと、布で顔を隠し俯いてしまった。これは聞いてはいけなかったやつか。失敗したな。

｢話したくないなら話さなくていいぞ。無理に人の話を聞き出す趣味はあいにく私は持ち合わせてないんでな｣
｢……いや、話そう。兄弟がどちらも話したんだからな｣

そういうとまた前に向き直り、山姥切は話し始めた。

｢俺は……『山姥切』を打ったとされる霊剣……山姥切長義の、写しとして作られた｣
｢…ほう？｣
｢写しは写しだ……だが偽物ではない。俺は間違いなく、国広の第一の傑作なんだ｣
｢……なるほど？｣

1つ、分からない単語があった。そのせいで話が理解できない。

｢その……気分を害したら悪い。写しって、なんだ？｣
｢えっ｣
｢む？｣
｢は？｣

三兄弟全員から、キョトンとした反応を返された。う、写しなるものを知らない私が悪いのか!?!? だって刀剣の知識なんて全くないんだから仕方ないだろう!!! はァ、仕方ない……。

｢……写しについての知識を調べるから、ちょっと待ってくれ｣

──……聞こえているか？

『写しでしょ？』

うおっと、聞こえてたか。そうだ。写しって、なんだ？

『写しっていうのは、元となる……オリジナルの刀剣を模して作られた刀剣のことだよ』

うん？つまりはコピーやクローンということか？

『ううん、違う。ちょっと説明が難しいから『───』に理解できるかは分かんないけど。写しそれそのものが日本刀として別種で『オリジナル』として見なされることもあるんだよ。だからその点ではクローンとは違う』

な、なるほど……？というかさらっと私の事馬鹿にしたな？

『うるさいな、もう説明しないよ？ええとね。写しは元の刀剣をそっくりそのまま模すこともあれば、刀工の意匠で改変が加えられることもあるんだ。それで、どちらの場合も日本刀としては完全に『本物』なんだよ。だからそういう点でもコピーじゃないね』

つ、つまり……???

『折り紙で同じように鶴を折っても、改変鶴を折っても、それが全部偽物やコピーやクローンってわけじゃないでしょ』

……なるほど!!!そういうことか!!!!!

｢なるほど分かったぞ!!｣
｢!?｣
『はァ、『───』が馬鹿じゃなくて良かった。じゃ、俺は読書に戻るから』

おう、邪魔して悪かったな。ありがとう、助かった。

｢山姥切、私は写しを理解した。お前は間違いなく『山姥切国広』として本物の刀剣、そういうことなんだな？｣
｢……!!!｣