【刀剣乱舞】愛せないから愛させない。* 伍色* (ページ12)

今日:11 hit、昨日:29 hit、合計:7,555 hit

13色目｢具沢山すぎてあとで汁との比率がおかしくなった｣。ページ12

｢…へへ、もちろんだよ、大将！｣

ぱっと花が咲くような笑顔で、信濃が代表して答えてくれた。今日はなんて運がいい日なんだろうか。小夜のみならず、粟田口の奴らまで私の刀となってくれるだなんて。

｢あるじさま、よろこんでいるのはいいですがそろそろなべがふきこぼれますよ｣
｢え？ああっ!?!?｣

今剣に言われて見れば鍋は本当に吹きこぼれる寸前だった。慌てて中身をかき混ぜる。ふぅ、危ない危ない。

｢ところで何を作ってるの？それ｣
｢ああ、信濃達は知らないか。コンソメスープだよ｣
｢こん、そめ？｣

本日の料理は具沢山コンソメスープだ。おかずが何も思いつかなかったから、汁物とおかずを兼用しよう思ってどっさり具材を乗っけてやった。そしたらまあ鍋ギリギリになっちまってもう大変。いや、分量を間違えた私が悪いが。

十分に煮込まれ、コンソメの味が具材に染みたところでそれぞれの皿に盛り付けていく。……今日も山姥切達の分も用意しておくか。

はァ、これもうそろそろ私一人じゃ作りきれないな。料理当番、作ろう……。

｢はい、これ。お前達の分をお盆に乗っけてるから。良かったら誰か一期にも持って行ってやってくれ。それからええと……こんのすけ！｣

パチンと柏手を打つ。そうするとこんのすけがぽふっと出てきた。

｢はい、主さま。なんでしょう！｣
｢山姥切と大和守にも、良かったらメシ食ってくれって伝えておいてくれ｣
｢かしこまりました！｣

そう一言言い残すと、こんのすけはまたぽふっと消える。
……さて。

｢じゃ、各々解散！明日のことは明日指示するからな！ドーナツが欲しい奴はメシ食ってから審神者部屋に来るように！｣
｢はい！俺行く！ねえほら、みんな早く食べようよ！｣
｢分かった、分かったから押さないで包丁。零れちゃうよ｣

腕組みをして壁に寄りかかりながら、ふうっと息をついた。

｢じゃ、俺も部屋に戻るぜ。きみもよく休むんだぞ｣
｢ああ、分かってるよ｣
｢また明日ねー主｣
｢ああ、また明日｣
｢ぼくといわとおしはおへやでたべますね。おいしそうなゆうげをありがとうございます！あとでどーなつもたべにきますね｣
｢主は料理も出来てしまうなんて流石だな！ではまた明日会おう｣
｢おう、今剣はまたあとで。岩融は明日な｣
｢主、俺は疲れたから鵺と一緒に寝るよ。また明日会おうぜ｣
｢ゆっくり休めよ｣

各々が帰路に着いたのを確認したところで、私と薬研も審神者部屋に料理を持って行って食べることにした。