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中島敦:再会:ハイド様リクエスト ページ12

________敦side




僕がまだ孤児院にいた頃の話。



僕はいつものように大人達から折檻され、閉じ込められていた。



その日は酷くお腹が空いて、傷もズキズキと痛んでいたのを覚えている。




『君・・・・・敦、だったよね?』




同じ孤児院にいたけど、ほとんど喋ったこともなかった女の子が、柵越しで話しかけてきた。




敦「なに・・・・・僕を笑いにきたの?」



『まさか、違うよ。君は昨日も折檻されていたのを思い出してね』




彼女は僕に小さな握り飯を差し出してきた。




『これ、大人の目を盗んで作っちゃった。食べて』




何と大胆な行動だろう。バレたら彼女も僕と同じように折檻されるのに。



でも僕は空腹で握り飯に手を伸ばした。




『あ、薬も持ってきた』



敦「ふぁっ!?」




薬なんて、どれほど彼女は危険を冒して持ってきたのだろう。




敦「流石にそれは不味いよ!早く返さないと!!」



『いーのいーの、持ってきた時点で怒られるだろうし』




そう言うと、彼女は僕の傷口に優しく薬を塗り始めた。



孤児院では、他人を売る子はいても、他人を助ける子はほとんどいなかったから。









敦「それからも彼女は僕を助けてくれたんです」



太宰「成る程。君の最初の恩人だということか」



敦「はい。・・・・・僕、彼女に守られてばかりで、録にお礼も言えないまま彼女は孤児院を出ていってしまって・・・・・」




感謝してもしきれない程、僕を助けてくれた恩人。



僕は探偵社で、彼女を見つけたい。




太宰「ところで、その女の子の特徴とか名前は聞いていないのかい?」



敦「名前は聞いても教えてくれませんでした・・・・・特徴といっても、綺麗な黒髪くらいです」



太宰「それは見つけるのに苦労しそうだ」




太宰さんは立ち上がると、ふと思い出したかのように"嗚呼"と呟いた。




太宰「そうそう、今日は新入社員が来るのだよ。敦君が休んでいた日に合格した子だ」




扉がコンコンとノックされ、ゆっくりと開く。




太宰「ほら、あの子だ」




開いた扉の先に立っていた人物に向かって、僕は一目散に走り出した。



ようやく会えた、僕の恩人。

条野採菊:夜驚症:抹茶党様リクエスト→←江戸川乱歩:御礼:鈴錬様リクエスト



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黒月夜*(プロフ) - 抹茶党さん» ありがとうございます!条野さん可愛い!! (2019年3月14日 8時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
抹茶党 - リクエスト書いて下さりありがとうございました。(o^−^o)条野さん優しいvvv (2019年3月14日 7時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶党 - リクエストお願いします。家族を失ったトラウマで悪夢を見る夢主を励ます条野さん夢をください。 (2019年2月17日 21時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜*(プロフ) - ハイドさん» わかりました!頑張ります! (2019年2月17日 20時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
ハイド - リクエストで、何でもいいので敦お願いします! (2019年1月27日 16時) (レス) id: 555b483480 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒月夜 | 作成日時:2019年1月7日 19時

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