太宰治:もう一人の友人 ページ2
太宰は一人、小さな墓の前に立っていた。
石に刻まれた"彼女"の名前。
彼女こそ、太宰が過去に友であった女性である。
太宰「A、君がいなくなってしまって数年経ったね」
周囲に人はいない。
その言葉に、楽しそうな声で相槌を打つ彼女もいない。
太宰「覚えているかい?君が守った織田作の孤児のことを」
太宰「君が守った織田作を」
Aは織田作之助に関係する人々を全て・・・とは言えないが、救ったのだ。
織田作之助の代わりにジイドと闘い、相討ちとなって死を迎えた彼女。
太宰「織田作さ、怒ってたんだよ?"なんで俺を庇ってジイドと闘ったんだ"ってね」
太宰「でも君は織田作に言ったよね"貴方がいなくなったら太宰幹部の友人がいなくなる。それに貴方の孤児達はどうするの"・・・あれには耳を疑ったよ」
太宰「私にとっては君も大切な友人だったんだから」
太宰は思い出す。自分の部下として、友人としてバーで笑いあったAを。
太宰「本当に、大切だったんだ・・・!」
空を仰ぎながら一粒の涙を溢す。
太宰「・・・誰よりも君を尊敬しているよ」
織田「おい太宰、ここにいたのか。国木田が捜していたぞ」
太宰「ああ織田作か。すぐ行くよ」
Aが救った織田作之助。
太宰と同じく武装探偵社員の織田作之助。
太宰はふ、と微笑んだ。
太宰「またね、A」
太宰は彼女に背を向ける。
太宰「行こう織田作、私達が帰る場所へ」
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黒月夜*(プロフ) - 七海@月と星−−君と幸福な世界さん» 駄作なわけないじゃないですか!!そしてまさかのBlu-rayの予約・・・!? (2019年3月13日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - コメントありがとうございます!!ゆ、遺言!?死なないでください!!というより、遺言がそれでいいんですか?! (2018年12月13日 22時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
河童系人間。(プロフ) - むり…尊い…すき……(遺言) (2018年12月13日 20時) (レス) id: 66413608c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - ハニーさん» あ、なんかすみません・・・・・( ・−・) (2018年11月22日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 澁澤さんの童話むり…しんどい…(´Д` ) (2018年11月22日 10時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒月夜 | 作成日時:2018年5月10日 21時