【文スト】もしも貴方が世界から消えたとしたら【短編集】

芥川龍之介:愚図 ページ3

芥川「何故此のような簡単な任務に時間がかかるのだ愚図」


『すすすすみませんでした！！その・・・相手に異能力を使う者がいて・・・』


_____パシンッ


芥川「そんなもの、殺せばいいだけのことだ」


叩かれた頬が痛む。


『・・・はい・・・すみません、でした・・・』


ポートマフィアの狗、芥川龍之介は彼女に厳しかった。


何かあれば愚図と罵り、頬を叩き、時として羅生門で右腕を食いちぎったこともある。


一方、Aは中島敦と同じ超再生を持つ異能力者である。


彼女は一撃で殺さなければすぐに再生する。


芥川は自身の忌み嫌う中島敦と同じ異能力のAを嫌った。


Aも、そんな自分が嫌いだと思っていた。





_____この時までは。





交戦中に芥川に飛んできた銃弾を、守るようにして心臓に受けたA。


芥川「っ・・・！」


他に気を取られていたとはいえ、十分に反応できる弾だったというのに、Aは身を呈して自分を庇った。


それが、芥川には理解ができなかった。


芥川「おい、起きろ」


羅生門で敵を凪ぎ払った後、自分の腕のなかにいるAに語りかける。


芥川「起きろと言っている。僕の命令が聞けぬと申すか」


・・・本当はわかっていた。Aがすでに息絶えていることに。


芥川「起きろ」


それでも、芥川は続ける。まるで壊れ物を抱くかのように、優しく抱きしめながら。


芥川「・・・起きろ、愚図め・・・」

泉鏡花:似ている姉→←太宰治:もう一人の友人

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