これも運命ってやつかもしれない。【獄都事変】

８話 ページ10

フラフラした足取りで保健室へ向かう。


『私よく生きてたなー・・・・・・人間卒業できるレベルだわ・・・・・・』


もし今の状態をご近所さんとかに見られてたら警察案件だな。

帰りに職質とか勘弁ね。

あ、その前に貧血で倒れたりしたら困るな。

まだ用事を済ませていないのに帰りのことを考えていると、黒い板に"保健室"と書かれた部屋が見えてきた。


『あれ、開いてる？』


他の教室とかは前も後ろも扉は閉まっていたに、保健室のみ開いているというのも変な話だ。

そう思うも、そういえば学校でどこか一部屋は最低でも建てつけが悪くて扉がなかなか閉まらないっていうのはよくあった。この廃校舎もそうなんだろう。

・・・・・・そもそもだが、廃校舎に手当てできるような物が置いてあるのか？

無ければ無いで別にいいけど・・・・・・。









『失礼しま______』


いつもの癖でつい入室前の声かけをしてしまった。誰もいないというのに。

こういうのって結構恥ずかしいよね、とそれこそ誰が聞くわけでもない内心で声かけの恥ずかしさを薄めようとしてみる。

うん、どうでもいいか。さっさと手当てできそうな物探そ。


『ん"！？』


"探そう"と決心したところで、下に伏せていた視線を正面に向けたわけだが、その正面には私の目がおかしいのか重箱。

そして、その重箱を囲むように地面とベッドに座っている時代錯誤な服装をした男性達。

男性達の視線は私に向けられ、私もまた、男性達に視線を向けている。


『どちら様で？』


私の口から出てきた疑問は、酷く間抜けなものだった。

９話→←７話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す