９話 ページ11
『あ、すいません、何でもないです・・・・・・』
何者か確認するまでもなく、この場この時間にいるのはどう考えても人外に決まっているじゃないか。
前言撤回と会釈のようなお辞儀をしてから保健室を曲がれ右、と立ち去ろうとするも、それよりも早く"何か"が頭上で影をつくる。
・・・・・・黒い、バットのような・・・・・・。
『もしかして______________！？』
脳がそれを処理するされる前に、私の体はほぼ反射的に後ろへ跳ぶ。
木の折れる音と共に先程までの足場は崩れ、振り下ろされた物の正体を知る。
金棒だ。
老人が話すような"地獄の鬼"が持つような。
「避けたか」
金棒を振り下ろした坊主頭の男が舌打ちをしつつ不服そうに呟いた。
「次はないぞ、亡者」
金棒の先端を私に突きつけた男の言葉。明らかに私ではない誰かのことを指していた。
私は亡者ではない、生きているのだから生者だ。そう言おうと口を開くも、有無を言わず男が攻撃を仕掛けてくる。
『・・・・・・ッチ、』
今度は私が舌打ちをして、男が近付いてくるのを待った。
男は少し怪訝な顔をしたがスピードを落とさず、真っ直ぐと向かってくる。
距離はさほどない。男の速さならば十歩足らずで私に手が届く。けれど私は男が来るのを避けず、動じずに立ち止まったまま。
金棒が今、この瞬間に振り下ろされたとしたら確実に無事では済まない距離まで来ても、まだ動かない。
まだ、あと少し。
失敗すれば私の頭は落ちたトマトを再現することになるだろうが、まぁそれでもいい。私は試したいことがあるのだ。
好奇心が強いのが子供ってものだろう？
「許されざる者には、罰を」
頭上で声がした。低い低い、男の声だ。
同じように金棒を振り下ろすか。それともスイングするか。
『っ、・・・・・・と』
どちらにせよ、私には当たらない。
振り下ろされた金棒を横に避け、背を預けていた壁を踏み台にして大きく上へ跳んだ。
ついでに私が着地するまで追撃出来ぬよう男の肩を思いっきり蹴るようにして踏みつけ、再び保健室内へ入室する。
金棒の男め、今は廊下に伏しているだけだが、何なら一生寝てろ。
反論もさせないまま攻撃しやがって。
『ったく・・・・・うおっ？！え、鎖ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ！！？？！』
ドンッ、と強い衝撃を身に受けて顔をしかめる。
え？え？何が起こったの？
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のりまき - 凄く面白い、、、更新頑張ってください！楽しみにまってます！ (2021年11月4日 22時) (
レス) @page13 id: 43c85f48e1 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 続き楽しみにしています (2021年3月26日 19時) (レス) id: ae7d8421ac (このIDを非表示/違反報告)
鈴菜 - ゆ、夢主も腐女子だと((( ｺﾎﾝとても楽しく読ませて頂いています！ 続編が楽しみですよ〜… なんか夢主が獄卒たちと親しげ(?)ってとこが良いよね！ (2020年8月15日 16時) (レス) id: 887197f4b6 (このIDを非表示/違反報告)
アヤト - 楽しんで読ませてもらってます！更新楽しみに待ってます! (2020年5月19日 8時) (レス) id: 3db13e33df (このIDを非表示/違反報告)
@羅夢(プロフ) - とても面白いです！あ、あれぇ？夢主と服装もカバンの中身もほぼ一緒だ!?更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2020年4月20日 18時) (レス) id: d2b13b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒月夜 | 作成日時：2020年4月1日 20時
