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『大丈夫ですか?』





「あぁ……っ!」









俺は伸ばし掛けた手を止めて引っ込めた。





弟が親切に手を差し伸べて来たのだ。





俺の露骨な反応に気付いた弟は、苦笑いして手を下ろした。









『俺の異能力は聞いてますよね』





「……気ぃ悪くしたよな」





『いえ、誰だって知られたくない秘密はありますから。上司に対しての恨みや文句の一つや二つ』





「えっ! お、んん……」









まぁ、文句が無い訳ではないし、知られたら不味いのは確かだな。

弟は中也さんを抱えながら頭を下げた。









『ありがとうございました。今度運ぶのが面倒になったら、玄関先にポイ捨てで大丈夫なので』





「いや大丈夫じゃねぇだろっ! それだと俺が死ぬっ!」









俺の慌て振りを見て、弟はケタケタと笑っていた。

笑い事じゃねぇよ、マジで。

その後、俺は別れを云って帰った。









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――翌日。









「昨日は悪かったな、立原」





「え、中也さんっ」









中也さんが俺に袋を差し出して来た。

受け取って中身を見ると、タッパーに唐揚げが入っていた。









「……何で唐揚げっすか?」





「俺も知らねぇ。朝っぱらから弟が揚げてた」





「弟さんが?」





「昨日の礼だとよ。食え」





「あ、ありがとうございます」









迷惑料なのか、中也さんの弟は変な所で律儀だった。









あと、貰った唐揚げは、そこらへんの店のやつより美味かった。



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ソルト(プロフ) - この作品にてねこぱふぇさんの作品を全て読み終わりました。どの作品も面白く1日で読み終わってしまいました…これから2週目に入ります。今後のご活躍を期待させていただきます。 (2019年6月14日 0時) (レス) id: 61b043fd1c (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - ネコぱふぇさん» 弟君の幼女化ありがとうございました!!弟君シリーズすごく好きです!!これからも応援しています! (2019年4月30日 21時) (レス) id: 3faee80352 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのごん子 - 獄都事変とコラボしてガッツポーズしたのは私だけじゃないはず (2019年4月29日 21時) (レス) id: 1eba992f2c (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - 大阪さん» すみません。バチカン奇跡調査官は詳しくないです。 (2019年4月29日 10時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
大阪 - リクエスト、まだ大丈夫でしょうか?バチカン奇跡調査官とのコラボがみたいです… (2019年4月29日 5時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2019年3月24日 23時

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