【文スト】一般人の中原です その二

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「……この世(こっち)に来る時に資料で見た、要危険人物――」



「ポートマフィア五大幹部――――中原中也か」





中也の登場に、木舌と佐疫が呟いた。





「俺の事知ってんのか……なら、そいつに手ぇ出したらどうなるか、覚悟の上って事だよなっ！！」





中也は地面を蹴り、Aを抱える谷裂に飛び掛かる。

谷裂はAを降ろし、金棒を振り上げる。

中也の蹴りを金棒で受け止めた谷崎。

すると、衝撃で谷裂の足が地面に沈んだ。





「ぐっ……重い蹴りだな」



「へぇ、良く堪えたなぁ――っ！？」





更に重力を付加させようとした時、中也目掛けてスコップが飛んで来た。

金棒から離れて退くと、瓦礫の中から血だらけの平腹が飛び出した。





「いってぇなぁっ！！ 何すんだぁーっ！！」





ブチ切れた平腹がそのまま中也に向かって拳を振るった。

出鱈目に殴る蹴るを繰り返す平腹の攻撃を、中也が躱し受け流す。

飛んで来た拳を掴んで、中也は平腹に蹴りを食らわし、再び瓦礫へと吹き飛ばした。





その時、じゃらりと鎖の音がした。

田噛の鎖が中也の体に巻き付いて拘束した。

その隙に佐疫が銃を構え発砲した。





しかし、弾は中也の体に触れた瞬間、ピタリと動きを止めた。





「――返すぜ」



「っ！」





弾はそのまま佐疫に跳ね返り、肩に被弾した。



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