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「それでどうする? 亡者を捜すにも手掛かりが無いのだろう?」



「調査報告によると、その女の亡者は生者に取り憑いて殺害するらしい」





木舌さんが亡者について説明を始めた。





「亡者は目標を定めると、その生者の所にしか現れない」



「じゃあ、次に狙われる生者を捜すのか?」



「でもどうやって?」



「亡者は取り憑いた生者に、印を残すんだ。こう、掴まれた様な手形が……」





「「……手形?」」





すると、獄卒さん達は一斉に俺の方を見た。



正確には、俺の腕に浮かぶ痣を。





『……え、俺取り憑かれたの?』



「うぉーっマジかぁーっ!」



「ならば、やる事は決まったな」





そう云うと、谷裂さんが近付いて来て、俺を軽々と肩に担いだ。





『……え』



「谷裂、まさかその子を囮にする気か?」



「そうでなければ亡者は捕まらんだろう。これ以上亡者の好き勝手にできん」





何だか厄介な事になってしまった。





「おい子供。今すぐ閻魔の厄介になりたくないなら俺達に協力しろ」





どうせ拒否権もないし、此処で取り殺されるのは御免だ。

悪霊ならば、専門家に任せるのは一番。

俺は谷裂さんに担がれながら了承しようとした。









――その時。









「――がはぁっ!!」



「「っ!?」」





谷裂さんの隣に居た平腹さんが、飛んで来たドラム缶にぶつかり吹き飛んだ。

そのまま近くの建物の壁を破壊し、見えなくなった。

その光景を目撃した獄卒さん達が一斉に武器を構えた。





「……あれは」





佐疫さんが銃を構えて暗闇を睨む。





カツッ、カツッと鳴る足音と共に、見慣れた黒帽子が現れた。









「帰りが遅ぇから捜してみりゃあ……また妙な連中に絡まれてんなぁ」









殺気を放つ兄さんが、獄卒さん達を睨んだ。



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ソルト(プロフ) - この作品にてねこぱふぇさんの作品を全て読み終わりました。どの作品も面白く1日で読み終わってしまいました…これから2週目に入ります。今後のご活躍を期待させていただきます。 (2019年6月14日 0時) (レス) id: 61b043fd1c (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - ネコぱふぇさん» 弟君の幼女化ありがとうございました!!弟君シリーズすごく好きです!!これからも応援しています! (2019年4月30日 21時) (レス) id: 3faee80352 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのごん子 - 獄都事変とコラボしてガッツポーズしたのは私だけじゃないはず (2019年4月29日 21時) (レス) id: 1eba992f2c (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - 大阪さん» すみません。バチカン奇跡調査官は詳しくないです。 (2019年4月29日 10時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
大阪 - リクエスト、まだ大丈夫でしょうか?バチカン奇跡調査官とのコラボがみたいです… (2019年4月29日 5時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2019年3月24日 23時

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