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「――悪ぃな、A」
そう呟いた中也は、難無くAの腕と掴みナイフを止めた。
そして、Aの腹に一発拳を叩き込んだ。
『かはっ……』
<なっ! お前っ……自分の弟に何て酷いことするんだっ!?>
「手前の汚ぇ作戦よりかマシだわ、三一ッ!」
Aの腕を捻り、そのまま力一杯投げ飛ばした。
投げた先には敦が立っており、飛んで来た彼を受け止めて羽交い絞めをした。
逃れようとAが暴れるが、虎の腕に掴まれてビクともしない。
<く、糞っ!! 放せぇっ!>
「精神操作の異能力とは云え、まだまだ可愛い部類だねぇ」
<っ!?>
顔を上げると、目の前に太宰が立って居た。
「自ら解除法を明かすなんて、君、探偵社を舐め過ぎだよ」
ピタリと額の印に指が触れた。
――異能力――【人間失格】
目の模様が消えると、Aの体がガクッと項垂れた。
<まさかっ……俺の異能を消しっ――>
驚く声はガシャンと音を立てて砕け散った。
「喋んな、耳障りだ」
粉々になったスピーカーと仮面を見下ろして、中也は吐き捨てた。
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左手の手当てをしている時、Aが目を覚ました。
「大丈夫か?」
『兄さん……太宰さん達も、何で……いっ!』
起き上がろうとするAが、声を上げて顔を歪ませた。
「どうしたっ!?」
『……腹が、滅茶苦茶、痛い』
その言葉を聞いて、皆の視線が一斉に中也へ集まる。
Aが服を捲ると、殴った個所に痛々しい痣が出来ていた。
それを見て、太宰は大袈裟に騒ぐ。
「うっわぁ〜これは酷い。見事に痣になっている、痛そう〜」
『何このぐろい色、怖っ。というか、左手が血だらけなんだけど、何で俺こんな事になってるの?』
「えっと、とりあえず落ち着こう、A君」
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ソルト(プロフ) - この作品にてねこぱふぇさんの作品を全て読み終わりました。どの作品も面白く1日で読み終わってしまいました…これから2週目に入ります。今後のご活躍を期待させていただきます。 (2019年6月14日 0時) (レス) id: 61b043fd1c (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - ネコぱふぇさん» 弟君の幼女化ありがとうございました!!弟君シリーズすごく好きです!!これからも応援しています! (2019年4月30日 21時) (レス) id: 3faee80352 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのごん子 - 獄都事変とコラボしてガッツポーズしたのは私だけじゃないはず (2019年4月29日 21時) (レス) id: 1eba992f2c (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - 大阪さん» すみません。バチカン奇跡調査官は詳しくないです。 (2019年4月29日 10時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
大阪 - リクエスト、まだ大丈夫でしょうか?バチカン奇跡調査官とのコラボがみたいです… (2019年4月29日 5時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2019年3月24日 23時