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翌日。



今日は別の店でバイト中。

店の入り口が開いて女の子が駆け込んで来た。









「あら? チュウヤ?」









女の子は俺を見て首を傾げる。





金髪に赤い洋服を着た女の子。

俺を見て兄の名が出るのは、そちらの関係者であると云う事。





それにこの女の子――――見覚えがあった。





すると、そこへもう一人来店して来た。









「エリスちゃん、待ってよぉ〜」



「遅いわよっリンタロウっ! 全く中年はこれだから駄目ねっ!」



「そんな、酷いよエリスちゃ〜ん」









大人の男性が、少女に罵られ涙目になっている。

そんなやり取りをカウンターから見ていると、男が此方に顔を向けた。





「……おや? A君」



『お久し振りです、森医師』





俺は男――――森鴎外医師に、数年振りの再会をした。









「本当に久し振りだねぇ。元気にしていたかい?」



『お陰様で。兄が何時もお世話になっています』



「いやいや私こそ。中也君には色々助けて貰っているよ」





くたびれたシャツに白衣を着て、謙遜しながら首を振る。





『それにしても珍しいですね。こう云うお店にも来るのですか?』



「今日は偶々通り掛かって――」



「ちょっとリンタロウッ! ケーキッ!」



「あぁそうだったね」





エリスちゃんに急かされ、森医師はチラシを出した。





「店の前でチラシを貰ってね」





店の宣伝と、ケーキ一つ無料券を兼ねたチラシだ。

店の前で、バイトの先輩が配っていたなぁ、と思い出す。





『分かりました。好きなケーキを選んで下さい』



「そうねぇ〜……じゃあこれっ! すぐに食べたいっ!」



『あっちのテーブル席でどうぞ』





ケーキを渡すと、エリスちゃんは嬉しそうにテーブル席へと行ってしまった。

それを見送った後、森医師は俺を見た。





「中也君から、君に全て話したと聞いたよ。君も異能について話したそうだね」



『聞きましたし、話しました』



「その上で、もう一度君に尋ねたい」





先程までの緩い表情から一変して、首領の表情になった森医師。

自然と背中に冷や汗が流れた。









「ポートマフィアに、入る気はあるかね?」



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ソルト(プロフ) - この作品にてねこぱふぇさんの作品を全て読み終わりました。どの作品も面白く1日で読み終わってしまいました…これから2週目に入ります。今後のご活躍を期待させていただきます。 (2019年6月14日 0時) (レス) id: 61b043fd1c (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - ネコぱふぇさん» 弟君の幼女化ありがとうございました!!弟君シリーズすごく好きです!!これからも応援しています! (2019年4月30日 21時) (レス) id: 3faee80352 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのごん子 - 獄都事変とコラボしてガッツポーズしたのは私だけじゃないはず (2019年4月29日 21時) (レス) id: 1eba992f2c (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - 大阪さん» すみません。バチカン奇跡調査官は詳しくないです。 (2019年4月29日 10時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
大阪 - リクエスト、まだ大丈夫でしょうか?バチカン奇跡調査官とのコラボがみたいです… (2019年4月29日 5時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2019年3月24日 23時

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