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乱歩が注文した甘味がテーブルに置かれた。
それには手を付ける様子もなく、どんどん小説を読み進めて行く。
「……乱歩」
「は」
福沢が名前を呼ぶと、漸く我に返った様に顔を上げた乱歩。
そして、目を輝かせた。
「福沢さん、凄いよこれっ！」
持っていた原稿用紙を福沢に突き出した。
福沢がそれを受取ろうと手を伸ばしたが、すぐに引っ込められた。
「あ、今僕が読んでるからダメ」
「……」
駄目と云っても、そもそもそれは他人が書いた作品だ。
乱歩は原稿用紙を封筒に終い、運ばれて来た甘味を食べ始めた。
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甘味を食べ終わり会計を済ませて店を出た。
福沢は横を歩く乱歩に視線を向ける。
彼の手には件の茶封筒があった。
「持って来たのか」
「だって、まだ途中だし」
「持ち主が探しに来たらどうする」
「大丈夫っ！ 僕が持ち主を見付けて届けるから！」
自身満々に云う乱歩は「あ、勿論僕が読み終わった後でね」と続けた。
何が大丈夫なのか、更に不安が増す福沢だった。
依頼人が居ると云うビル近くまで来た時、ビルの周りに野次馬が集まっていた。
それと警察車両と救急車が停車し、赤いランプが遠くからでも見えた。
――何かが遭った。
福沢と乱歩は野次馬を掻き分け、制止する警察官に話をして中へ入れて貰った。
エントランスホールには、警察官と鑑識。
――そして、血溜まりの中に倒れる男。
男は、今日福沢達が会う筈だった依頼人だった。
倒れた男の胸にはペーパーナイフが突き刺さっていた。
「福沢殿っ！」
一人の男が福沢達に駆け寄った。
依頼人の男の部下だ。
「何が遭ったんですか？」
「部長が……上から突き落とされて」
部下の男が、青い顔で云った。
被害者が落下した所から上を見上げると、ビルは上まで吹き抜けとなっている。
依頼人と会う約束をしていた階の所に、鑑識が集まっている。
あそこから落ちたのだろう。
「突き落とされた、と云う事は、犯人を特定出来たのですか？」
「部長が落下した時、あそこから下を覗く人物が居たんです」
今、警察がその人物の事情聴取をしているそうだ。
福沢達もその部屋へ案内して貰った。
『だ、だからっ！ 私はやっていないんですっ！ 信じてくださいっ！』
案内された部屋と壁を一枚隔てたもう一つの部屋から、必死に訴える女性の声が聞こえて来た。
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麗(プロフ) - 36ページ 2ヶ所ほど 』が 》になっていたところあります。 (2021年5月20日 19時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
雪代 - めちゃめちゃ好きです…！！もうなんか乱歩さんが主人公ちゃんが可愛くて可愛くて…！！応援しております！m(_ _)m (2018年9月30日 22時) (レス) id: bf2f1ee446 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 乱歩さん……私を殺さないでください…。大好きです (2018年9月17日 21時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
にゃー - 乱歩さん可愛！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ (2018年8月29日 15時) (レス) id: c7e146b978 (このIDを非表示/違反報告)
ひにゃたこ - 面白すぎて敬語が抜けそうです←関係ない。更新頑張って下さいっ！ (2018年8月17日 9時) (レス) id: 3f5d227eff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネコぱふぇ
| 作成日時：2018年7月29日 22時
