【文スト】噂の野良猫娘 ４

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乱歩さんの「莫迦にも分かる事件解説」によると……。



今回の被害者はこの屋敷のご婦人で、大の犬好き。

この広い庭も犬達の為に用意したものだという。

飼っている犬は全部で101匹。

使用人を雇うなどして、どの犬にもちゃんと手入れが行き届く様に管理をしていた。



そんな婦人が何者かに殺害された。

刃物の様な物で滅多刺し。

流石に現場は見せて貰えなかったけど、酷い惨状らしい。



その時、婦人と一緒に一匹のマルチーズが居た。

真っ白いふわふわの毛並みの犬は、婦人の返り血を浴びたという……。



それなら、ウチが犬と会話をして犯人を教えて貰えば良いのでは？



と乱歩さんに云ったら真顔で「君は莫迦だ」と云われた。

「莫迦」は確定らしい。



「その犬が見た光景を君が見て、平気な訳無いだろ」



当たり前のことを云われた。

そんなものを見たら、また赤黒い痣が出て来るぞ、とも脅された。



「それに、犯人を見付けるのは僕の仕事だ。君は庭で犬達と遊んでいると良い」



そう云って乱歩さんは刑事さん達と屋敷の中へ行ってしまった。









『……』

《わぁA、すっげぇ顔》

《眉と眉の間に線が付いちゃうわよ？》

《ほっぺ破裂するぞ？》



周りの犬達に注意される程、今のウチの顔は不満で一杯だ。





『……除け者にされ、たぁぁぁぁぁっ！！』





ウチは力一杯フリスビーをぶん投げた。

それを追って数匹の犬が駆け出して行く。



《そんな怒る事ないじゃない》

《あの糸目さん、君を心配してくれているんだよ》

『分かってるよ……分かっているけどそれが尚更気に食わ、なぁぁぁぁぁいっ！！』



叫びながらボールをぶん投げる。



《完全にストレス発散してるわねぇ》

《仕方ない、付き合ってやるよ》

『取って来いオラァァァッ！ こうなったらとことん遊んだらぁぁぁっ！』



ウチは不満を吐き散らかしながら100匹の犬と遊び倒した。



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