【文スト】紙使い少女は、光へと向かう【黒の時代】 (ページ4)

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ミミックページ4

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『――かはっ！！』

突然、鳩尾に衝撃を受け、私は宙を舞った。

私はそのままドアの反対側の窓まで吹き飛ばされた。

背中の方で硝子にヒビが入る音がした後、私は床に倒れ込んだ。

「「姉ちゃんっ！！」」

『……ぐっ……かっ！』

息が出来ない。

咳き込めば血が出た。

灰色の男達を押さえていた紙が力なく床に落ちて行く。

「連れて行け」

一人の男が指示を出し、男達が動いた。

「いやっ！お姉ちゃんっ！」

『っ! さ、くら……』

男達に連れて行かれる子供達が見えた。

私は紙を槍の様に尖らせて、男達に放った。

しかし、それは指示を出した男のナイフで弾かれた。

何度も槍を放つが、ことごとく落とされて行った。

何で当たらない。

死角からの攻撃も、振り向く事なく防いでいる。

他の者が部屋を出て行く中、その男だけ此方に近付いて来た。

「子供の中に異能力者が居るのは予想外だったな」

上から声が聞こえ、顔を上げるとその人物の顔が見えた。

先日、美術館の前で織田作さんと対峙していた男だった。

『……何で、あの子達を……』

「サクノスケに理解させる為だ。貴君等には悪いが、サクノスケはこうでもしない限り、乃公を殺してくれないからな」

『――返せ』

子供達は関係ない。

何も知らない。

なのに、そんな事で、子供達にも危害を加えるのかっ。

奥歯を噛み締めて、体を起こす。

周りに落ちた紙が集まり、男に向けて槍の矛先を突き出す。

沸々と怒りが込み上げて来る。

この感情は、あの時と似ている。

――「殺意」と云う感情だ。

「……良い眼だ」

男は動じる事無く、避ける素振りを全く見せず、私の前に佇んでいる。

『……返せっ！』

紙の槍が男に向かって飛んで行った。

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――お前も、他の子供達と同じく、平穏に暮らして欲しい。

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