【文スト】紙使い少女は、光へと向かう【黒の時代】

今度こそ ページ27

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屋上駐車場に出れば、子供を抱えた犯人が立ち入り禁止の場所に立って居た。



「来るなっ！」



犯人が此方に発砲して来た。

咄嗟に紙で防御を作って銃弾を防ぐ。



空いている片手で紙を飛ばし犯人の手から拳銃を弾き飛ばす。

バランスを崩した犯人の体に紙を巻き付かせて捕縛する。



『大人しくしてくださいっ！』



捕縛した紙を掴んだ。









すると、犯人が不敵に笑った。









犯人は、抱えていた子供を突き飛ばした。

子供の体が宙を舞った。





『駄目っ！！』





手を伸ばすも、子供には届かなかった。





一瞬、子供と目が合った。









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――姉ちゃんっ！

――いやっ！ お姉ちゃんっ！









助けを求める声。



此方に伸ばされる小さな手。



怯え切った泣き顔。









救えなかった幼い命。









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ギリッと奥歯を噛み締める。









――死なせないっ！









私は地面を蹴った。

手持ちの最後の紙を伸ばして子供に巻き付け、自分に引き寄せて強く抱き締めた。









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このまま地面に落下すれば、確実に死ぬ。





一度も試した事は無いが、生還するには一か八か、やるしかない。









――自分の異能を、信じる。









『来いっ！！』





私は手を伸ばして叫んだ。



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