検索窓
今日:23 hit、昨日:31 hit、合計:759,891 hit

眠る少女 ページ22

.



絵本の棚に置いてある本を捲っていると、頭を三つ持つ犬の絵が描いてあった。



《A、何見てんの?》



遊びに来た猫が周りに集まって一緒に本を見る。



《何この犬?》

『んーっと……“地獄の番犬”だって。難しい事書いてあるけど、兎に角凄く強い犬だよ』

《会った事あるの?》

「物語の犬だから無いよ。でも実際居たら凄いだろうな」



「番犬」と云われる位だから、どんな敵が来ても守ってくれそうだ。









.









.









.









探偵社に戻り、医務室へ向かうと与謝野と敦が居た。



「Aちゃんは?」

「妾の異能で治療済みだよ。今はまだ眠ってる」



視線をベッドに向ければ、規則正しい寝息を立ててAが眠っている。

暫くは目を覚まさないだろう。



「何が遭ったんだい? あの子が血だらけで帰って来て驚いたよ」

「……Aちゃんの異能力が暴走したんです」



太宰が与謝野に説明をする。



異形の獣が暴れていた事。

Aの体中に赤黒い痣が浮かび上がっていた事。

A自身に制御が出来ていない事。

太宰の異能力無効化でなければ止める事が出来ない事。

暴走を止めなければ、体にかなりの負担を掛ける事。



「如何して、暴走なんか……」

「それなんだけどねぇ……治療していた時、こんなモンが出て来たよ」



与謝野はデスクに置いてあった小さな入れ物を持ち上げた。

カランと中の物が転がって音を鳴らした。



「それはっ!」

「胸部に一発……撃たれたんだろうねぇ。傷は妾が治療する前に塞がっていたけどね」

「自分の身が危険に晒され、本能的に異能力が発動したんだ。あの異形の獣はAちゃんが異能で作り出した物」



与謝野は眠るAに目を向けた。



「……厄介だねぇ。動物と話が出来る以外に、何か別の効果があるのかねぇ」

「自覚は無いかもしれませんが、目を覚ましたら聞いてみましょう」



念の為、社長にも報告をしなければならない。



太宰達は静かに医務室を後にした。


.

 ・ →← ・ 



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (555 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1160人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。