救出 ページ3
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「Aっ!! ナナミンッAはっ?」
「息はあります。ただ、出血が酷い。急いで家入さんに診て貰わないと」
血の気が引いて苦しそうな表情を浮かべるAを見て、悠仁はぎゅっとAを抱き締めた。
『……ぉ、にぃ』
Aがか細く声を発した。
ゆっくりと小さな力で、悠仁の服を掴んだ。
「っ! Aっ!?」
『……きて、くれ、たっ』
Aは力なく笑って涙を流した。
「っ……Aっごめんっ遅くなってっ……ごめんっ絶対っ助けるからっ」
しっかりとAと抱えて、急いで高専へと向かった。
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その後、すぐに硝子の治療が行われた。
「背中から腹部に掛けての刺し傷と、全身は痣だらけ。腹部の方は傷を抉られていたよ。それから呪霊の呪力に長時間当てられた所為で、色濃く残穢が残っている。徐々に薄れては行くが、暫く目を覚まさないだろうな」
硝子がカルテを見ながら悠仁、七海、五条に説明をする。
「Aの呪力量に感謝だね。呪力で防御出来なきゃ、今頃死んでいた」
「しかし防げたとしても、長時間あの痛みに耐え続けるのは酷だったでしょう」
一度術を受けた事のある七海が静かに言った。
「それと、Aの首、あれは何だ? お前何か知ってるな?」
硝子がうなじを指さしながら五条に尋ねた。
その疑問は七海も同じだった。
「宿儺の呪いだよ。縛り設けちゃってるから僕にも手を出せない」
「私は何も聞いていないぞ」
「内緒だったからね」
「上に報告は?」
「する訳ないでしょ。只でさえ目付けられてんのに。あれはすぐに死ぬようなものじゃないから放っといてる」
「いい加減だな」
「……また、宿儺の気まぐれに救われた」
ボソッと呟いた悠仁。
手には切れたネックウォーマーが握られていた。
「
「贄に手を出されて気に障ったってところかな」
天上天下唯我独尊。
己の快・不快のみが生きる指針。
真人がすぐに撤退したのも、宿儺の気まぐれの介入があったからだろう。
「何はともあれ、Aさんが無事だったことを喜びましょう」
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かさ(プロフ) - 番外編も大好きですぅうう!! (2022年7月2日 12時) (レス) @page39 id: 82f5c86142 (このIDを非表示/違反報告)
ケコ - 大好きです!!!!! (2022年6月20日 1時) (レス) @page19 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
パルフェ - ネコパフェさんいつもリクエスト聞いてくれてありがとうございます (2021年7月14日 20時) (レス) id: 7c4a754810 (このIDを非表示/違反報告)
パルフェ - うーん悩みますね五条先生と一緒に捕えられて封印するときは別々ですかねちなみに渋谷のハロウィンで封印されてるところがいいんですけどお願いしてもいいですか? (2021年7月14日 20時) (レス) id: 7c4a754810 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - パルフェさん» リクエストありがとうございます。この場合、五条さんと一緒? それとも別の場所でですかね? (2021年7月11日 22時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2021年6月19日 23時