【呪術廻戦】妹も頑張る〜番外編〜２

　兄、登場 ページ15

.





何コールかした後、電話の向こうから不機嫌な声が聞こえた。





＜何だ？＞



『宿兄ちゃん……』



＜何だ、用件があるならさっさと――＞





耳に当てていたスマホが奪われる。





「よぉ宿儺、久し振りだな？」



＜…………誰だ？＞



「おいおい連れねぇ事言うなよ。俺は態々テメェに会いたくて妹ちゃんに呼んで貰ったんだよ」



＜……＞



「○○橋近くにある小屋、分かるだろ？ すぐに来いよ。妹ちゃんも居るから」



『いっ！？』





Aは電話をする男に髪を引っ張られ声を上げた。

長い髪が男の指に絡まり、何本かブチブチと抜ける音がした。





「迎えに来てやってやれよ。一人じゃ可哀そうだろ〜？」





男がゲラゲラ笑うと、周りも同じように嘲笑う。

電話を切ると、男はAを放り投げた。

地面に倒れ込むAを見下ろして下品に笑う。





「妹が居れば向こうも下手に手は出せねぇだろ」



「しっかしマジでこの子宿儺の妹？ あんま似てなくない？」



「なぁ彼奴来るまでこの子と遊んでて良いよな？」





周りに居た男子達がAに近付いて来る。

身の危険を感じ、Aは立ち上がって離れようとするが、壁際に追い詰められてしまった。





「そんな怖がんなよ。大丈夫、大人しくしてれば痛い目に遭わねぇから」



『っ……』





一人の男子がAに手を伸ばした。





その時、





――ガッシャンッ！！





小屋の扉が吹き飛んだ。

音に驚いた一同が扉の方へと視線を向けた。





「お早いご登場で、宿儺」





小屋の入り口から入って来た宿儺――









「おい、なに人の妹に手ぇ出してんだ」









――ではなく、ブチ切れした悠仁だった。





.

　ブチ切れた兄→←　巻き込まれる妹

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す