気まぐれ ページ2
.
「っ!?」
全身に走る悪寒に動きを止めた。
この感覚は前にもあった。
気付いた時には、もう遅い。
景色が変わり、足元は赤い水面に浸かっていた。
目の前に積まれる骨の山。
その上に鎮座する巨悪。
「貴様も懲りないな」
呪いの王、両面宿儺が見下ろしていた。
「どうでも良いとは思っていたが、こうも俺の贄を壊されるのは不愉快だな」
宿儺は、隣に座る白装束の少女の顎を掴み上げた。
仄かに光を帯び、虚ろな表情をするA……と同じ顔を持つ少女。
所々ヒビの様なものが入り、末端部分がボロボロと崩れつつあった。
「何だよそれ」
「貴様に教える義理は無い」
そう言うと、宿儺がスッと指を動かした。
.
「っ!?」
真人は反射的に体を動かしAの後ろから引いた。
同時に、頬を切り裂かれた。
支えが無くなりAの体が倒れた。
首に着けていたネックウォーマーが切れて、うなじの刻印が露わにある。
「くそっ……マーキングされてんのかよ」
夏油が以前言っていた宿儺の地雷か。
どちらにせよ、もうどうでも良い。
こいつは殺そう。
真人は腕を槍に変形させて矛先をAに向けて放った。
槍がAに当たる寸前、槍は弾き飛ばされた。
「久し振りだね――七三術師っ!」
鉈を構えた七海がAの前に立った。
その時、真人の背後から悠仁が拳を振るう。
寸前で気付いた真人は体を反らしてその場から跳んだ。
「あはっ! やっと来たね――虎杖悠仁」
「てめぇは絶対、ぶっ殺すっ!」
怒りの表情を浮かべた悠仁が真人を睨みつけた。
「あーあ、もう潮時かなぁ」
離れた所に立って背伸びをしながら真人が言った。
「じゃあまたね。可愛い妹ちゃん大事にしろよ」
「っ!! てめぇ待てっ!!」
「虎杖君っ! 追っては駄目ですっ!」
ヒラリと姿を消した真人を悠仁が追おうとするが、七海の声にすぐに動きを止めた。
バッと顔を七海の方へ向けて、彼が抱えるAのもとへ駆け寄った。
.
338人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かさ(プロフ) - 番外編も大好きですぅうう!! (2022年7月2日 12時) (レス) @page39 id: 82f5c86142 (このIDを非表示/違反報告)
ケコ - 大好きです!!!!! (2022年6月20日 1時) (レス) @page19 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
パルフェ - ネコパフェさんいつもリクエスト聞いてくれてありがとうございます (2021年7月14日 20時) (レス) id: 7c4a754810 (このIDを非表示/違反報告)
パルフェ - うーん悩みますね五条先生と一緒に捕えられて封印するときは別々ですかねちなみに渋谷のハロウィンで封印されてるところがいいんですけどお願いしてもいいですか? (2021年7月14日 20時) (レス) id: 7c4a754810 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - パルフェさん» リクエストありがとうございます。この場合、五条さんと一緒? それとも別の場所でですかね? (2021年7月11日 22時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2021年6月19日 23時