双黒と襲撃者 2 ページ8
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「え、中也? 如何したのその傷」
「……っるせぇ! 何で手前は無傷なんだよっ!」
中也がよろっと立ち上がって悪態を吐く。
倒れる部下達と同じく、体中を刃物で斬り付けられた様な傷を負っていた。
「如何やらさっきの突風は異能によるものらしい。だとしたら異能力無効化を持つ私は傷付かない」
「だったら手前が如何にかしやがれっ!」
「はぁ……仕方ない」
動くのは面倒だが、相手を捕まえて異能力を無効化するしかないか。
再び突風が来る前に外套の者に近付いて外套を掴み地面に取り押さえる。
掴んでみて気付いたが、全く重さを感じられない。
しかも、相手の外套からツンと鼻につく臭いがした。
――これは……灯油?
はっとして急いで外套の者から離れた。
ライターが擦られる音がした途端、目の前の外套が燃え上がった。
服の裾に少し火が燃え移ったが、大事にはならなかった。
メラメラと燃え盛る炎の中で外套の者が崩れていく。
「焼身自 殺とは……全く面白い事するねぇ」
「手前も燃えりゃあ良かったのによ」
「嫌だよ。燃え尽きるまで苦しむじゃないか」
「知るか。チッ……あ〜あ、体中がヒリヒリする」
切り傷だらけの体を押さえて中也が歩いて行く。
その背中を蹴ろうと歩いて、ふと地面に視線を落とした。
炎の灯りで辺りが少しだけ明るくなり、地面が良く見えた。
私はしゃがみ込んで「それ」を指で摘まみ上げる。
「何だそりゃあ?」
「さぁ……」
摘まみ上げた黒い紙をじっと観察する。
一枚だけでなく、地面には同じ大きさの紙が散らばっていた。
丁度、紙吹雪でもばら撒いた様に。
念の為、持ち帰って調べてみるか。
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ネコぱふぇ(プロフ) - 名無し28935号さん» ご名答! 勝手に拝借しましたぁ('Д')ハハハ (2018年1月24日 1時) (レス) id: 20fe41653a (このIDを非表示/違反報告)
名無し28935号(プロフ) - 竹一って人間失格の耳だれの男の子ですよね!!!!!!!!!!!(違ったらすいません) (2018年1月24日 0時) (レス) id: 8c7fb5ba75 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - なーさんさん» ご指摘の部分はちょっと加えて修正済みです。応援ありがとうございます! (2017年12月26日 1時) (レス) id: 20fe41653a (このIDを非表示/違反報告)
なーさん - ネコぱふぇさん» いえいえ(汗)これからも楽しみにしておりますので頑張ってください!応援しています(*´ー`*) (2017年12月26日 0時) (レス) id: addadc6628 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - なーさんさん» ぐふぅ……ホントだ勉強不足で済みません(/ω\)ご指摘感謝します!これからも頑張ります! (2017年12月25日 21時) (レス) id: 20fe41653a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2017年12月4日 0時