妹の呪い ページ23
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部屋を出て、五条は悠仁に映画鑑賞を中断するように言った。
「どったの? 先生」
「先にはっきりさせようと思ってね」
そう言った五条の少し後ろに、暗い表情をしたAが立って居た。
流石の悠仁も、妹の雰囲気を察した。
「どうした? A」
『……』
「A、首見せて」
五条が促すと、Aは悠仁に背中を向けた。
髪を結いあげているので、すぐに悠仁はうなじを見る事が出来た。
「なっ!? それ、宿儺のっ」
「呪いだよ。いつ付けられたかははっきりしないけど、悠仁が生き返る前には既に呪われていた。A本人も覚えがないらしい」
「呪い……っ、おい宿儺っ!」
怒りを露わにして悠仁が名を呼んだ。
「聞こえてんだろ、Aに何しやがったっ!」
「……ケヒッ」
悠仁の左目の下に目と口が開き嘲る様にゲラゲラと笑った。
「ケヒッフヒヒッ! 俺が素直に教えると思うか?」
「てめぇっ!」
「言ってやれ五条悟。大方見当はついているのだろう?」
「……まぁ大体は」
宿儺の言葉に五条は低く呟いて、こちらを見上げるAに視線を向けた。
そして、彼女の額に指を突いた。
ガクッと力が抜けたAを五条が支える。
「先生っ! 何してっ!」
「大丈夫、気絶させただけだよ。ここからの話をAに教えるのは、僕等が聞いてから判断しよう」
五条は、この呪いの話をAに聞かせることで、彼女が危険に晒されることを懸念していた。
「恐らく“贄”の呪い――Aの場合対象は呪力だ。宿儺はAから呪力を得る為に呪った」
「呪力を……それって、Aは大丈夫なんだよな? 先生ならこの呪い祓えるだろ?」
五条先生なら……。
期待するように悠仁が尋ねるが、五条はAを静かに見て沈黙する。
「……この呪いに関しては、僕にも祓えない」
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愛菜(プロフ) - 脹相大好きなので妹ちゃんとの絡みが待ち遠しいです…!! (2021年3月31日 4時) (レス) id: 6adb5175f1 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - すっごい面白かったです!更新頑張ってください!! (2021年3月16日 23時) (レス) id: eb3104731e (このIDを非表示/違反報告)
ムスビ - 最後まで描き続けてください誤字てしまったので書き直しました (2021年3月12日 10時) (レス) id: 7c4a754810 (このIDを非表示/違反報告)
ムスビ - この小説は最後まで続けて欲しいですだから絶対かかったきてください応援しています (2021年3月12日 10時) (レス) id: 7c4a754810 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - ムスビさん» 嬉しいコメントありがとうございます! 頑張ります! (2021年3月11日 22時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2021年1月27日 23時