祖父と妹 ページ14
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祖父の火葬が終わるまで、私達は外で待機することとなった。
近くのベンチに腰掛けて兄と五条先生が何か話し込んでいた。
私は少し離れた所で、煙突から昇る煙をぼんやりと眺める。
――A、お前は誰でも支えられる人間になれ。
祖父が亡くなる一週間前、祖父から言われた言葉を思い出す。
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――一週間前。
『お爺ちゃーん、来たよー』
病室へ顔を出すと、祖父は一度此方を見て、視線を手元の本に戻した。
「何だA、今日は一人か？」
『うん、お兄ちゃん部活の先輩と出掛けるんだって。次は一緒に来るね』
「来なくて良い。部活しろ。お前もそんなに頻繁に来るな」
『良いじゃん、お爺ちゃん暇してるでしょ？』
ベッド脇に近付いて私は鞄から一冊の本を取り出した。
『はい、お爺ちゃん。新しい本』
本を差し出すと、手元から視線を上げて本をじーっと見つめた。
『そろそろ読み終わるかと思って持って来たんだ』
「…………ふんっ」
祖父は本を閉じて渋々私からの本を受け取ると、静かに本を見つめている。
『あれ？ もしかして照れてる？』
「照れとらんわっ！ 阿保っ！」
揶揄う様に言えば、何時もの様にキレた。
祖父は不貞腐れてベッドへ横になり私に背中を向けた。
「用が済んだらとっとと帰れ」
『はいはい、じゃあまたね、お爺ちゃん』
私は踵を返して病室を出ようとすると、後ろから呼ばれた。
「――A」
『ん？』
振り返って祖父を見るが、未だに背中を向けたままだった。
「お前は、誰でも支えられる人間になれ。細かいところまで気を配って、色んな人間の助けになれる様な人間になれ。あの馬鹿も支えてやれ」
『馬鹿って……お兄ちゃんなら一人で何でも出来そうだけど』
「彼奴は考えるより先に突っ走るところがある。それを補え。傍に居てやれ」
『勿論だよ、兄妹だもん』
私がそう返事をすると、祖父は「早く帰れ」と手をシッシッと振った。
呼び止めたのはお爺ちゃんでしょ、と苦笑しながら私は出て行った。
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「おーい、A。中入るぞー」
祖父との会話を思い出していると、兄が入り口の方から私を呼んでいた。
『……お兄ちゃんの支え、か』
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ムスビ - これからもアニメが完結するまで妹も頑張るを見ていきたいです更新頑張ってください応援しています (2021年3月11日 18時) (
レス) id: 7c4a754810 (このIDを非表示/違反報告)
影の黒猫 - 一つ目の白猫…?もしかして芥見先生？ (2021年2月28日 12時) (レス) id: 10484fbbe5 (このIDを非表示/違反報告)
エドワールド(プロフ) - ネコぱふぇさん» 細長い白猫の人形、、、一つ目、、、作者、、、うっ頭が！！ (2021年1月29日 16時) (レス) id: 47a0ed334c (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - さゆしゅんさん» コメントありがとうございます。応援ありがとうございます。今後ともよろしく！ (2021年1月17日 11時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
さゆしゅん(プロフ) - うひょー！！最高過ぎですっ！//// 更新頑張って下さい！応援しています！ (2021年1月17日 1時) (レス) id: fbdec2ab15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネコぱふぇ
| 作成日時：2020年12月28日 0時
