勧誘 ページ12
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病院に到着して俺と平井弟は検査と治療を受けた。
平井弟は幸い命に別状はなく、翌朝には目を覚ますだろうとのこと。
俺はと言うと、肩が脱臼し掛けているわ、括っていたロープで手首が擦れるわ。
おまけに長い廊下を引き摺られて体中擦り傷だらけ。
9割五条の所為である。
それ以外に異常は無かったものの、念の為一晩入院する事となった。
朝になり、検査を終えた俺は病院を出た。
「何処行くんだい?」
聞きたくなかった声に、俺は嫌そうな顔をして振り返った。
五条と夏油が入り口で待ち構えていた。
「聞きたい事があるって言っただろう?」
『何? 別に面白い事なんてねぇよ』
「これ、お前が用意したもんだろ」
五条が札の着いたロープの切れ端を見せて来た。
『あぁそれ? ネットで書いてあった心霊スポットで安全に帰れるおまじないだ。真似して作っ――』
「これは、とある呪術師の家系に伝わる術だ。そんなものがネットに転がってるわけねぇだろ」
『……は?』
「それにこれは古い術でね。知らない人の方が多い。その呪術師の家系もとうの昔になくなったらしいし」
「この術を知っている時点で、もう一般人とは名乗れねぇぞ」
『……』
し、知らねぇぇぇっ!?
いや、はぁっ!?
ばーちゃん何てもん教えやがんだ。
しっかり特定されてんじゃねぇかよっ!
つーか、ばーちゃんって一体何者だったんだ。
自分の事全然話さなかったもんな。
俺は頭を抱えて深い溜息を吐いた。
『……あーくっそ、結局関わんのかよ面倒臭ぇ……』
「その様子だと、呪術師も呪いも知っていたね?」
『あぁ知ってるし見えてるよ。その術もうちのばーちゃんから教わったもんだ』
変に隠した所で調べれば必ずボロが出る。
「そのお婆さんは?」
『俺が中三の時に死んだ。寿命で。98なら大往生だ』
そうあっさり答えると、夏油は少し顔を渋らせた。
『聞きたい事はそれだけか?』
「……じゃあ、最後にもう一つ」
夏油は真っ直ぐ俺を見て口を開いた。
「須田、呪術師にならないかい?」
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腐男子 - あんまりわかんないですけど五伏コンビが見たいっす。 (2022年1月21日 18時) (レス) id: af98c525c3 (このIDを非表示/違反報告)
家具が高い - パパ黒と絡むのは新鮮!面白かったですー! (2022年1月10日 17時) (レス) @page50 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - REBORN!ヲタクは今日も尊死するさん» ご指摘ありがとうございます! 夏油なら言いかねないけどここは間違いですね! 訂正して置きます。 (2021年12月5日 0時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
REBORN!ヲタクは今日も尊死する - 37話で夏油の「行ってらっしゃい」が「行ってらっちゃい」になってましたよ?ワザとでしたらすみませんッッ! (2021年12月4日 23時) (レス) @page37 id: 9f95d8689d (このIDを非表示/違反報告)
輪廻 - リクエスト!!体調不要で吐きそうで吐けなくて困って時に、夏油に見つかって夏油の指喉に突っ込まれて[ごめんね]とか言われながら吐く感じのを見たいっす!! (2021年11月16日 19時) (レス) @page45 id: 23123a7f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2021年9月19日 17時