車の中 ページ11
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「それで、君は一体何者かな?」
横に座る団子頭が、物腰柔らかに尋ねて来た。
笑顔を向けられてはいるが、どうも胡散臭い。
『何者って、俺は只の高校生だ』
「あ? 高校生? チビ過ぎて中学かと思った」
助手席の白髪はルームミラー越しに俺を見て鼻で笑った。
「悟、思っても言葉にしては失礼だよ」
「傑だって思ってんじゃねぇかよ」
何なんだ此奴等、ムカつく。
『……そう言う
「「はぁっ!?」」
車内に響く低い声。
運転手の人が思わずビクリと肩を震わせていた。
「おい傑、此奴今俺等の事オッサンって言った?」
「言ったね。間違いなく」
『え? ちげぇの? 人のこと餓鬼扱いするからてっきり俺よりすっげぇ年上かと思ったーごめんごめーん』
「てんめぇ謝る気ゼロだろっ!!」
『つかさぁ、先に間違えたのアンタ等でしょ? 人の間違い咎めるよりも自分の間違い訂正したら? それに、俺が誰かよりもそっちが誰だよって話なわけ。名も名乗れねぇのかよ常識ねぇなぁったく』
「っ……てめぇ」
助手席から身を乗り出そうとする白髪を団子頭がまた止めた。
「悟、この場合は私達が先に悪いよ。済まないね。自己紹介をするよ。私は夏油傑、こっちは五条悟。私達は呪術高専の呪術師だ」
『(やっぱ呪術師か)……須田誠一。高一だ』
「げっ、タメかよ……」
しかも同い年と来た。
ミラー越しに五条のしかめっ面が見えた。
夏油も「同い年かぁ」と口にこそ出さなかったが内心思っているだろう。
俺だって嫌だよ、こんな奴等と同い年なんて。
「それじゃあ、須田。いくつか聞きたい事があるんだけど」
そう唐突に切り出した夏油に俺は腕を突き出した。
『イヤ無理。今日色々あり過ぎて疲れた。眠い』
「え?」
『話はまた今度って事で俺は寝る。病院着いたら起こしておやすみ』
「え、いやちょっ」
『お・や・す・み」
「……」
目を瞑って夏油から顔を背けると、それ以上何も言わなくなった。
(悟どうする?)
(めんどくせぇから明日で良くね?)
コソコソと二人のそんな会話がした後、結局病院まで無言の空間が支配していた。
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腐男子 - あんまりわかんないですけど五伏コンビが見たいっす。 (2022年1月21日 18時) (レス) id: af98c525c3 (このIDを非表示/違反報告)
家具が高い - パパ黒と絡むのは新鮮!面白かったですー! (2022年1月10日 17時) (レス) @page50 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - REBORN!ヲタクは今日も尊死するさん» ご指摘ありがとうございます! 夏油なら言いかねないけどここは間違いですね! 訂正して置きます。 (2021年12月5日 0時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
REBORN!ヲタクは今日も尊死する - 37話で夏油の「行ってらっしゃい」が「行ってらっちゃい」になってましたよ?ワザとでしたらすみませんッッ! (2021年12月4日 23時) (レス) @page37 id: 9f95d8689d (このIDを非表示/違反報告)
輪廻 - リクエスト!!体調不要で吐きそうで吐けなくて困って時に、夏油に見つかって夏油の指喉に突っ込まれて[ごめんね]とか言われながら吐く感じのを見たいっす!! (2021年11月16日 19時) (レス) @page45 id: 23123a7f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2021年9月19日 17時