猫が２１匹 ページ22
ユキちゃんとバロンに続いて外に出れば、そこは城の裏だった。
隅のほうには、宴の途中に窓から放り投げられた２匹もいる。
話を聞けば、あの高い塔の先が外の世界に通じているらしいのだが、そこに行くためにはふもとにある迷路状の廃墟を抜けるしかないという。
見た感じではそこまで難しくなさそうだし、私もバロンも何とかなるだろうと判断する。
それを聞いたユキちゃんは、再びどこかに行ってしまった。
『行っちゃった…。まだお礼も言えてないのに……。』
「レオ。これはあくまで推理だが、キミを私の事務所に導いたのは、あの子じゃないのか？」
『！』
―レオちゃん、猫の事務所よ。
『そうだ、思い出した！ 道理で聞き覚えがあるわけだ。でもなんで―――、』
ガチャーンッ!!
何かが割れる音がして上を見上げると、窓から兵隊の猫が落ちてきて、そのあとムタさんが壁をつたってゆっくりと降りてきた。
文句を言われてしまったが、過ぎたことは仕方ないと、私たちは迷路に足を踏み入れる。
「厄介だな。」
『でもまだ昼間だし、大丈夫だよ。』
「ここはいつでも昼なんだぜ？」
『え、そうなの?!』
「たぶん今頃、外は夜中だろう。」
『じゃあ急がなきゃ！』
今外が夜中なら、夜明けまでそう時間はない。
急ぎたいのに目の前には迷路(の分岐)。
時間制限付きじゃなきゃゆっくり楽しめたのに!!(←オイ)
バロンは２つの道を見比べて言った。
「こっちへ行こう。１つ１つ、道を潰していくしかない。絶えず塔を見るんだ。方角を見失わないで済む。」
『分かった。』
「んよいしょ！」
ムタさんの声がして振り向くと、ムタさんは迷路の壁をよじ登っていた。
おそらくショートカットするつもりなのだろう。
『あ、ムタさんズルい。』
「正直に迷ってやるこたないぜ！」
「いたぞ!!」
「え゛!? なんでこうなるんだ!!」
ズルすると敵に見つかるんだね、分かった！
心なしか、バロンもムタさんに呆れているようだ。
「…ムタが囮になってくれてるうちに急ごう。」
『うん！』
「囮じゃねぇぞーッ?!」
そんなムタさんの声を聞きながら、バロンと私は迷路を進んだ。
.
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レモン(プロフ) - 私も夢主ちゃんの猫王にたいしての発言にスカッとしました！それと同時にごもっともだ、もっと言ってと思いました。 (2019年1月20日 11時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
Lily - 夢主ちゃんの猫王に対する物言いにスカッとしましたー。原作でもハルちゃんあれぐらい言ってほしかったな、うん。← (2017年12月24日 22時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
yukimusic1412(プロフ) - おぉー！楽しみです！生活も更新も頑張ってくださいね！普通に仲いいより、たまにイチャイチャするとドキドキできると思います♪でも、バロンの紳士的な性格はなるべく崩さずに、みたいな？笑 難しいですけど、応援しています！ (2016年12月1日 19時) (レス) id: 5a8710d0cc (このIDを非表示/違反報告)
菜々子 - やったー！続編楽しみにしてますね！願わくば主人公とバロンが良いカップルにならんことを！0(*^^*)0 (2016年12月1日 19時) (レス) id: a5ffdc6bb0 (このIDを非表示/違反報告)
yukimusic1412(プロフ) - あ、ほんとだ！勘違いしてましたー名前変えられますね！2番がいいです！ (2016年12月1日 5時) (レス) id: 5a8710d0cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲瓏なる蒼玉（玲玉） | 作成日時：2016年11月19日 8時
