猫が１７匹 ページ18
城に着いた私たちは別々の部屋に通されることになった。
それは私が着替えなければならなかったからなのだが、ムタさんは納得せず、一緒の部屋に入ろうとする。
仕方なく、私は前にあげたのと同じクッキーを何袋か渡し、大人しく隣の部屋で待っているように言った。
名付けて“餌付け作戦”！
ムタさんは大人しく従ってくれた。
ようやく部屋に入った私は、侍女の猫さんたちに着替えさせられた。
普段着る機会のないドレスに、私は少し舞い上がってしまう。
『こんなの初めて……。』
「本当にもう、お似合いです。」
「ルーン王子は全雌猫の憧れの的……、」
「きっとお幸せにしてもらえますにゃ〜。」
侍女さんたちに言われ、私はハッと我に返る。
『え？ いや、ちょっと待って！ そのことなんだけど……、』
「「 ？？ 」」
「いやはや、美しい！」
「「 ！！ 」」
『あ。』
「まさに、ルーン王子の妃に相応しいにゃ〜！」
誤解を訂正しようとすると、突然猫王様が姿を現した。
侍女さんたちは慌てて私の後ろに控える。
私はちょうどいいと思い、結婚の話は承諾していないことを伝えた。
『すみませんが、結婚の話を承諾した覚えはないんですが……。』
「あれ？ ＯＫしてくれたんじゃにゃかったの？」
「そのように聞いておりましたが。」
途中でメガネの猫も入ってきて、王様と二人でにやにや笑っている。
あれ？ もしかして私、嵌められた…？
それでもと思い、何とか冷静を装って話を続ける。
だいたい、そのルーン王子にはちゃんと話して了承を得ているのだろうか。
本人の意思を無視しての結婚なんて、私は絶対嫌だからね！
それに―――…、
『“王子”ってことはあなたたちと同じ“猫”でしょう？ 私、猫にはなれないし。』
「そのことなら、ご心配なく！」
「“もうなってる”にゃ！」
『えっ？』
王様たちに言われて、私は自分の頭を触る。
そこには、いつもはなかった猫の耳のようなものが……。
てか、なんか手の感覚もいつもと違う気がする。
侍女さんたちが鏡を持ってきてくれたので、おそるおそる覗き込むと、そこにはヒゲはないものの、立派に猫になりかけている自分が映っていた―――って、
『猫おおおぉぉぉーーーッッ!!!??』
.
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レモン(プロフ) - 私も夢主ちゃんの猫王にたいしての発言にスカッとしました！それと同時にごもっともだ、もっと言ってと思いました。 (2019年1月20日 11時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
Lily - 夢主ちゃんの猫王に対する物言いにスカッとしましたー。原作でもハルちゃんあれぐらい言ってほしかったな、うん。← (2017年12月24日 22時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
yukimusic1412(プロフ) - おぉー！楽しみです！生活も更新も頑張ってくださいね！普通に仲いいより、たまにイチャイチャするとドキドキできると思います♪でも、バロンの紳士的な性格はなるべく崩さずに、みたいな？笑 難しいですけど、応援しています！ (2016年12月1日 19時) (レス) id: 5a8710d0cc (このIDを非表示/違反報告)
菜々子 - やったー！続編楽しみにしてますね！願わくば主人公とバロンが良いカップルにならんことを！0(*^^*)0 (2016年12月1日 19時) (レス) id: a5ffdc6bb0 (このIDを非表示/違反報告)
yukimusic1412(プロフ) - あ、ほんとだ！勘違いしてましたー名前変えられますね！2番がいいです！ (2016年12月1日 5時) (レス) id: 5a8710d0cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲瓏なる蒼玉（玲玉） | 作成日時：2016年11月19日 8時
