猫が１６匹 ページ17
“猫の国”はのどかな所だった。
都心と違って程よい静けさがあり、空気も澄んでいて居心地がいい。
そんなとき、近くの小さな家から猫が出てくるのが見え、私は変な感動を覚えた。
『凄い！ ホントに猫が住んでる……。』
「そりゃお前“猫の国”だもんなー。」
ムタさんが何か言っているが、私は広い場所を見つけてそこに寝転んだ。
植物特有のにおいと、澄んだ空気に涼しい風……。
それらはすべて、私に母方のおばあちゃん家を思い出させた。
そういえば、おばあちゃん家の近くにも、此処と似たような場所があったっけ……。
『(なんか懐かしい……。)』
「なぁ、出口探してとっとと帰ろうぜ。」
『もうちょっとだけ。』
「お前なぁ……、」
『だって気持ちいいんだもｎ「ダメ、早く帰って！」…え？』
言葉を遮られ、私は驚いて起き上がる。
その声の主を確認しようと辺りを見回すと、私たちに近づいてくるピンクのリボンを付けた可愛い白猫がいた。
「早くここから逃げてください！」
『キミは…？』
「私はユキ。お願いだから早く帰って！ レオちゃんは此処にいちゃいけないのよ！」
『なんで私の名前を…？ それにその声、どこかで聞いたことがあるような……。』
私は考えたが、なかなか答えは出ない。
そして、そんな私の思考を遮るように名前を呼ばれ、私は声のしたほうに向きなおった。
現れたのは、私をこの国に連れてきた張本人…じゃない、張本猫。
「いやいやー、見つかってよかった〜！ こちらに入るとき、落としてしまったようで…。ご家来様の重量オーバーのせいですにゃー！」
「けっ、“家来”だと!?」
『まーまー、落ち着いて。この猫はムタさん。“家来”じゃなくて“友達”だよ。』
ムタさんをなだめ、茶色の猫の間違いを訂正する。
そして「歓迎の準備も整って猫王様も城で待っている」と聞き、それならば挨拶くらいはしてから帰るべきじゃないかと考えた私は、猫たちと一緒に城に行くことにした。
もちろん、ムタさんも道連れにする。
でもしばらくして、さっき忠告してくれた白猫に対して罪悪感がわいてきた。
気になって仕方なくなり、私は小声でユウを呼ぶ。
『ユウ、ちゃんといる…？』
ピッ
『よかった。さっきの白猫に“ごめんね”って伝えてきてもらっていい？』
ピィ
私は小声でユウに伝言を頼む。
ユウは、状況を把握したのか目立たないよう他の鳥たちに混ざって飛び立った。
.
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レモン(プロフ) - 私も夢主ちゃんの猫王にたいしての発言にスカッとしました！それと同時にごもっともだ、もっと言ってと思いました。 (2019年1月20日 11時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
Lily - 夢主ちゃんの猫王に対する物言いにスカッとしましたー。原作でもハルちゃんあれぐらい言ってほしかったな、うん。← (2017年12月24日 22時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
yukimusic1412(プロフ) - おぉー！楽しみです！生活も更新も頑張ってくださいね！普通に仲いいより、たまにイチャイチャするとドキドキできると思います♪でも、バロンの紳士的な性格はなるべく崩さずに、みたいな？笑 難しいですけど、応援しています！ (2016年12月1日 19時) (レス) id: 5a8710d0cc (このIDを非表示/違反報告)
菜々子 - やったー！続編楽しみにしてますね！願わくば主人公とバロンが良いカップルにならんことを！0(*^^*)0 (2016年12月1日 19時) (レス) id: a5ffdc6bb0 (このIDを非表示/違反報告)
yukimusic1412(プロフ) - あ、ほんとだ！勘違いしてましたー名前変えられますね！2番がいいです！ (2016年12月1日 5時) (レス) id: 5a8710d0cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲瓏なる蒼玉（玲玉） | 作成日時：2016年11月19日 8時
