猫が１３匹 ページ14
私を引き留めたバロンは、慰めるように私の頬を撫で、そのまま手のひらにキスをした。
そのぬくもりに、私は自分でも気づかないうちに泣いてしまっていた。
焦るバロンに大丈夫だと伝えると、バロンはほんのり頬を染める。
・・・なんで？
トトさんに聞いても、変な病気とかじゃないから大丈夫と言われたし、私はあまり気にしないようにした。
そこでようやく我に返ったらしいムタさんが、咳払いして分かったという。
どうやら、ここに残って私の傍にいてくれるらしい。
「留守番するだけだぜ。」
「よし、決まりだ！ レオ、こっちに戻りなさい。」
『え、でも……、』
「いや、ムタはいろいろ言いはするが、内心まんざらでもないタイプなんだ。」
「フン！」
いわゆる“ツンデレ”ってやつなのかな…？
本当は優しいらしく、それならばと、私はムタさんたちのほうへ向き直る。
『じゃあ、お世話になります、“ブ”タさん。…あっ！』
「ぶっ、ぶぅぅ?! お前今わざと間違えただろ!!」
『ごめんなさい、わざとじゃありません！ 素で間違えちゃいました!!』
名前を呼び間違えてしまい、ムタさんに「シャー!!」と威嚇(?)される。
…ムタさんの体形だと、それも仕方ないのかもしれないが。
ムタさんは完全に怒って(拗ねて？)しまったようだ。
「やっぱり断る!!」
『ごめんなさい、ムタさん!! このクッキーあげるから、機嫌直して〜！』
「そうだ。確か戸棚の中に、おいしいシフォンケーキがあったはずだが……。」
「どこだ、そりゃ。」
「右側の上。」
ムタさんはおいしいものに目がないらしい。
私がポケットからクッキーを出してムタさんにあげると、ムタさんはそれをペロリと平らげ、戸棚のほうに行ってシフォンケーキを取り出す。
「早く言えよー。」
「切り分けて景気づけにパーティーといこう！」
それを聞いたトトさんは、彼の秘蔵の桑の実を取りに出て行った。
私だけ何もしないのは気まずいので、「私も何か手伝う」というと、バロンは私のもとにやってきた。
「手伝いもいいが…、レオ。キミがどうすれば、自分の時間をしっかり生きられるか考えよう。それさえできれば、何も恐れることはないのだからね。」
『はい！』
「バローン、手ぇ貸せー。クリーム乗せるからよー。」
ムタさんがバロンを呼ぶ。
本格的なケーキを作るつもりらしい。
やっぱりおいしい…、甘いものに目がないんだ……。
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レモン(プロフ) - 私も夢主ちゃんの猫王にたいしての発言にスカッとしました！それと同時にごもっともだ、もっと言ってと思いました。 (2019年1月20日 11時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
Lily - 夢主ちゃんの猫王に対する物言いにスカッとしましたー。原作でもハルちゃんあれぐらい言ってほしかったな、うん。← (2017年12月24日 22時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
yukimusic1412(プロフ) - おぉー！楽しみです！生活も更新も頑張ってくださいね！普通に仲いいより、たまにイチャイチャするとドキドキできると思います♪でも、バロンの紳士的な性格はなるべく崩さずに、みたいな？笑 難しいですけど、応援しています！ (2016年12月1日 19時) (レス) id: 5a8710d0cc (このIDを非表示/違反報告)
菜々子 - やったー！続編楽しみにしてますね！願わくば主人公とバロンが良いカップルにならんことを！0(*^^*)0 (2016年12月1日 19時) (レス) id: a5ffdc6bb0 (このIDを非表示/違反報告)
yukimusic1412(プロフ) - あ、ほんとだ！勘違いしてましたー名前変えられますね！2番がいいです！ (2016年12月1日 5時) (レス) id: 5a8710d0cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲瓏なる蒼玉（玲玉） | 作成日時：2016年11月19日 8時
